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小田急が“ハンドルなし”バスで自動運転 ドライバー不足見据え「実用化を具体的にイメージ」

SankeiBiz編集部
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 ハンドルのない自動運転バスがついに公道を走る時代になった。小田急グループやソフトバンクグループが神奈川県藤沢市などと連携し、湘南を代表する江の島周辺で実証実験を進めている。自動運転バスの実用化や次世代移動サービス「MaaS(マース=Mobility as a Service)」の実現に向けた取り組みの推進を中期経営計画で掲げる小田急。その狙いはどこにあるのか。

 レーザー光で障害物を検知

 緊急事態宣言下の1月下旬、片瀬江ノ島駅(藤沢市)近くの公道に近未来的な出で立ちの白いバスが現れた。仏ナビヤ製の「ARMA」(アルマ)。自動運転向けに開発された定員11人の小型バスで、ハンドルは付いていない。衛星利用測位システム(GPS)などを活用して位置を測定し、「3D LiDAR」と呼ばれるレーザー光で障害物を検知しながら自律走行する。

 「片瀬江ノ島駅はやや細い道に面していますが、観光客の利便性を考慮し、停留所を駅に近いところへ設置したいとの考えから、従来のものよりやや小ぶりな自動運転バスを初めて用い、細い道での転回を試しました」

 江の島周辺での実証実験は今回で3回目。小田急の担当者が強調したのは、「実用化した際の運行路線を具体的にイメージした実証」だった。過去2回の実証実験では、小型バスの日野「ポンチョ」をベースにした自動運転車両を用いた。路上駐車の多い江の島エリアの特性を踏まえ、一般車両や自転車、歩行者が行き交う環境での自動運転バスの走行を検証してきたという。今回はさらに、ドアを閉めた後の自動発車など具体的な技術検証に取り組んだという。

 全長5メートル弱の小型バス「アルマ」は、片瀬江の島観光案内所から江の島大橋を渡り、小田急ヨットクラブまでの1.2キロの公道を時速20キロ程度で走行した。過去2回の実証では、実際に乗客を乗せて走行したが、今回は新型コロナウイルスの感染防止対策から見送られた。「そのような機会を設けることができず、非常に残念です」と担当者。大々的な報道公開もなく、コロナ禍の実証実験は粛々と行われたようだ。

 「ドライバー不足」見据え

  小田急グループは自動運転バスの実証だけでなく、小田急線の新百合ヶ丘駅(川崎市麻生区)周辺ではオンデマンド交通「しんゆりシャトル」の実証運行も行っており、(体験記事はこちら→新百合ヶ丘でオンデマンド交通の運行開始 500円で“VIP気分”満喫)MaaS の実現に向けた取り組みが目立つ。背景にあるのが、「将来的に想定される『ドライバー不足』や『きめ細やかな生活路線の確保』といった課題」(小田急)だ。鉄道やバスなど従来の公共交通に加え、新たなモビリティの提供に向け、同社は「各パートナーとの連携も強化しながら、住みやすい沿線まちづくり、地域の社会課題解決に寄与したい」としている。

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