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6G覇権争い、日本も対応加速 政府と一体で標準化狙う

 2030年代の実用化を目指す第6世代(6G)移動通信システムの開発競争が激化している。日米政府が16日(日本時間17日)に発表した共同文書では、次世代通信分野の研究開発に両国合わせて45億ドル(約4900億円)を投資することを確認しており、日本企業も政府と歩調を合わせる。日本企業は5Gでは基地局技術などで中国に後れをとっており、6Gでは標準化を主導し覇権争いで挽回を図る。

 6Gでは、現在使われている周波数よりもさらに高い帯域が使用される。通信速度は5Gの100倍になるといわれており、現在の4Gと比べると1000倍になる。通信で生じる遅延や多くの機器を同時に接続できる性能も5Gより10倍以上向上するといわれる。

 多数の機器が大量のデータを同時に送受信できるようになることで、交通量の多い道路でも自動運転の安全性が高まるほか、ミスが許されない医療でも遠隔手術などが可能になる。

 6Gの世界では、これまでは電波の届かなかった海中や宇宙でも高速通信ができるほか、無線技術を発展させた非接触給電で電線をつながなくても機器が自動で充電できるようにもなるという。人々の生体情報もリアルタイムで通信し、人工知能(AI)が健康に関する助言をしてくれるなど生活も大きく変わる。

 NTTドコモは、次世代の通信網の構築を見据え、NTTの完全子会社となった。一方で、NTTコミュニケーションズを子会社化し、無線通信と固定通信を融合する。NECなどとも連携し、特定のメーカーに頼らず異なるメーカーの基地局製品を組み合わせて使う「オープンRAN」を主導するなど、日本政府の政策の主軸を担う。

 KDDI(au)は30年までに次世代通信網に2兆円を投じる方針を表明。トヨタ自動車と資本提携で関係を強化するなど、6G時代を見据えた布石を打つ。

 ソフトバンクは岐阜大学などと連携し、6Gで使われる周波数帯での超小型アンテナを使用した無線通信に成功。ニコンと共同で光無線技術を開発するなど、新たな次世代通信を模索している。楽天も遅延の少ない通信技術の研究で東京工業大と連携した。

 5Gでは日米企業は基地局建設などの基礎技術で中国に後れを取った。あらゆる場所で人やモノがデータを通信できるようになる6Gでは、通信の安全保障が重要性を増すだけに、日米企業にとって譲れない戦いとなる。(高木克聡)

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