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データの使途に消費者ら不信感 ネット広告規制、求められる実効性

 政府は今年2月に施行された巨大IT企業を規制する新法の対象に、ネット広告分野を追加する方向で調整している。念頭にあるのはグーグルなど巨大IT企業などが生み出した「ターゲティング広告」と呼ばれる新たな広告手法だ。多くの課題が指摘され始めており、実効性のある制度にすることが求められている。

 ターゲティング広告は、検索サービスやネット通販の購入履歴、スマートフォンの位置情報などから得られる個人データを基に、消費者の好みを推測。個々の消費者に合わせて広告を表示する仕組みだ。

 広告を表示する対象を絞り込めることから、これまでより効果的な広告につながるとされる一方で、仲介する巨大IT企業が絶大な影響力を持つことなどから、消費者や広告主からは不満が高まっている。

 消費者の不満の背景にあるのが、自分のデータが知らないうちに使われていることへの不信感だ。サービス利用時に、個人情報の提供に同意しているものの、利用規約などの記載は膨大で分かりにくく、同意は形骸化。また、同じような広告が繰り返し表示されることも、嫌悪感につながっている。自分の情報が第三者に分析されていることをプライバシーの侵害と捉える人も多い。

 一方、広告主やメディア側からも、課題を指摘する声は多い。両社の間に入り、データ分析を行う巨大IT企業が、どれだけの手数料を取っているか不透明だからだ。また、広告主からは、広告がどのようにネット上で表示されているのかも分かりにくく、広告出稿の適正価格が判断しにくいという問題もある。

 日本総合研究所の山浦康史上席主任研究員は「デジタル広告市場は途中がブラックボックス化しており透明化が不可欠。ただ、行き過ぎた規制で技術革新を阻害してはならず、バランスのとれた法整備が求められている」と話している。(蕎麦谷里志)

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