金融

個人消費の落ち込み拡大へ 緊急事態再発令を警戒 株も続落

 政府が東京、大阪、京都、兵庫の4都府県を対象に3度目の緊急事態宣言を発令する方針を固め、4~6月期の経済は個人消費を中心に落ち込みが避けられない。海外に比べて強制力が弱い日本の新型コロナウイルス対策で、感染力が強い変異株を押さえ込めるかも疑問視され、景気の先行き不安から日経平均株価は節目の2万9000円を約1カ月ぶりに割り込んだ。

 大和総研の神田慶司シニアエコノミストは「昨年春の緊急事態宣言のような厳しい措置を迫られた場合、4~6月期の景気は大幅に悪化する」と懸念する。

 同社の試算では、今回の対応が蔓延防止等重点措置で済んだなら実質国内総生産(GDP)の損失は1カ月当たり0.4兆円程度にとどまっていた。だが、4都府県への宣言発令で飲食店や娯楽施設などに休業要請が広がれば、消費低迷で損失は0.6兆円に拡大する。対象地域が全国に広がった場合は1.6兆円の損失になる見込み。

 これを受け、4~6月期の実質GDP成長率は、2度目の宣言で落ち込みが避けられない1~3月期に続き、「2四半期連続のマイナス成長になる可能性がある」(神田氏)という。

 一方、3度目の宣言発令方針を受け、21日の東京株式市場の日経平均株価の終値は前日比591円83銭安の2万8508円55銭と大幅続落。20日も急落しており、下げ幅は2日間で計1200円近くとなった。書き入れ時の大型連休に経済活動が鈍化することで、業績悪化が避けられないサービス業の銘柄などが幅広く売られた。

 SMBC日興証券の野地慎チーフ為替・外債ストラテジストは、ロックダウン(都市封鎖)のような強制措置が取れない日本の宣言では「感染拡大抑制効果が乏しく、景気だけが大きく減速する最悪の状況になる可能性がある」と指摘。先が見えない変異株との戦いが、市場関係者の心理を冷やしていると説明する。 (田辺裕晶)

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