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日米政府、楽天を共同監視 中国への情報流出警戒、実態把握へ

 日米両政府が、経済安全保障の観点から楽天グループを共同で監視する方針を固めたことが分かった。中国IT大手の騰訊控股(テンセント)子会社が3月に大株主となったことで、日米の顧客情報がテンセントを通じて中国当局に筒抜けになる事態を警戒。日本政府が外為法に基づいて楽天から定期的に聞き取り調査を行い、米当局と内容を共有することで、中国への情報流出リスクに連携して対処する。

 楽天はテンセントの出資を「純投資」と説明。テンセントを含む株主が個人情報にアクセスする可能性も否定している。日本政府は、楽天が米国でもインターネット関連事業を手掛け、米政府が自国民の情報流出リスクを懸念する事情も考慮。今後、テンセントによる経営関与の有無や楽天の情報管理の実態を継続的にチェックし、米当局と随時意見交換していく方針だ。

 外為法は、安全保障に関わるサイバーセキュリティーや通信などの分野で、外国の企業と投資家に対し、国内企業への出資を制限している。2020年に施行された改正法で対中国を念頭に規制を強化。事前届け出を求める出資比率の基準を「10%以上」から「1%以上」に厳格化する一方、資産運用目的で経営に関与しない純投資の場合は事前届け出を免除する仕組みを設けた。

 楽天は今年3月、携帯電話事業への参入で傷んだ財務を補強するため、日本郵政など複数の企業を引受人に総額2423億円の第三者割当増資を実施した。テンセント子会社はその一環で楽天に657億円を出資し、同社株の3.65%を保有する大株主となったが、外為法に基づく事前届け出は行っていない。

 外為法の規定上、テンセント側は5月中旬までに、同社関係者が楽天の役員に就任せず、国の安全に関わる非公開の技術情報にアクセスしないといった事前届け出の免除基準を満たしていることを国に約束する義務を負う。これを受け、総務、財務、経済産業などの関係省庁が実態確認を実施。問題があれば基準を守るよう勧告や命令を出し、テンセント側に株式の売却を命じることができる。

 中国と覇権を争う米国は、テンセントなど中国ハイテク企業への締め付けを強めている。同盟国に共同歩調を求め、16日の日米首脳会談でも経済安保を議題に取り上げた。

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