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ノンアル飲料は「家飲み用」? 東京“禁酒法”も飲食店では需要伸びず

SankeiBiz編集部
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 新型コロナウイルスの感染拡大を受けた3回目の緊急事態宣言では、東京都などが飲食店に酒類の提供を自粛するよう要請。SNSやネット掲示板で「禁酒法時代だ」といった声も飛び交う中、一躍脚光を浴びているのがノンアルコール飲料だ。飲食店では宣言が発令された25日ごろからノンアル飲料を注文する人が増えたとみられているが、必ずしも需要の増加にはつながっていないのが現状だ。

書き入れ時に休業要請

 酒類は酒税法で「アルコール分1度以上の飲料」と定義している。ノンアル飲料は法律上は清涼飲料水だが、厚生労働省は、含有アルコール量が1%未満で、味や香りが酒類に似ているものをノンアル飲料としている。

 1%未満とはいえ、わずかでもアルコールを含んでいる製品を大量に飲むと酔う可能性はあるが、現在流行しているのはアルコールを全く含まない種類のものだ。厚労省は飲酒運転の厳罰化や健康志向の高まりがブームの背景にあるとしている。

 都は酒類を提供する飲食店や居酒屋に休業を要請し、酒類の提供を自粛する場合は休業要請の対象外にする。緊急事態宣言は5月11日まで続く予定だが、ゴールデンウイークという「書き入れ時」を逃したくない飲食店の中には、ビールの代わりにビールテイストのノンアル飲料を出すといった“工夫”を施す店舗もあるという。

 業務用のノンアル飲料の注文は殺到しているのか。ビールテイストの「オールフリー」を販売するサントリーでは、そこまで顕著に数字には表れていないといい、広報担当者は「休業する店も多いからではないか」とみる。

 「アサヒドライゼロ」のアサヒビールの広報担当者も、「一時的に増えてはいる」としながらも、もともと成長市場の商品であるとして、休業要請の影響の有無については断定を避けた。

 サントリーが昨年10月に発表した意識調査のレポートでは、ノンアル飲料を飲む量が増えた611人のうち40.3%が「在宅時間が増えたから」を理由に挙げ、「健康を気にするようになったから」(38.0%)や「休肝日を作ろう、増やそうと思ったから」(33.4%)を上回った(複数回答)。ノンアル飲料の“家飲みニーズ”の高さがうかがえる結果だ。

 まだ“外飲み”ニーズは高まりきっていないかもしれないが、ノンアル専門のバーが東京や京都に出店しており、新たな業態で客層を広げている。ノンアル飲料はお酒が飲めないときの代用品、という認識は時代遅れになっているようだ。

 サントリーによると、2020年のノンアル飲料市場は対前年101%の約2266万ケース(見込み)で、21年以降も市場は拡大する傾向という。

SankeiBiz編集部
SankeiBiz編集部 SankeiBiz編集部員
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