金融

依然弱含みの雇用、ワクチン普及まで政策支援不可欠

 厚生労働省が30日発表した令和2年度平均の有効求人倍率は、前年度比0・45ポイント低下の1・10倍だった。新型コロナウイルス禍による雇用情勢の深刻な悪化を反映し、下落幅はオイルショックの影響が続いた昭和49年度(0・76ポイント低下)以来、46年ぶりの大きさだ。感染「第4波」による3度目の緊急事態宣言で足元の雇用も依然弱含んでおり、ワクチンの普及まで継続的な政策支援が欠かせない。

 有効求人倍率は求職者1人に企業の求人数がいくつあるかを示す指標だ。安倍晋三前政権の経済政策アベノミクス効果で令和元年まで1倍台後半のほぼ完全雇用状態が続いたが、コロナ禍で効果が剥落した。2年9、10月には1・04倍と1倍割れの寸前に迫った。

 2年度は初の宣言が発令された昨年4月以降の数値だけに、下落幅はリーマン・ショック後の平成21年度(0・32ポイント低下)を上回り昭和38年の統計開始以降、2番目の大きさになった。

 また、総務省が30日発表した令和2年度平均の完全失業率は0・6ポイント上昇の2・9%で、平成21年度以来、11年ぶりに増加した。飲食などサービス業で雇い止めが相次いだ非正規労働者は97万人減の2066万人で、比較可能な26年度以降初めて減少。失業予備軍の休業者は80万人増の261万人と過去最多だった。

 一方、令和3年3月は年初からの宣言が解除され有効求人倍率(季節調整値)が前月比0・01ポイント上昇の1・10倍、完全失業率(同)が0・3ポイント低下の2・6%といずれも2カ月ぶりに改善した。ただ4月からは3度目の宣言で飲食、宿泊、娯楽を中心に経済が再び低迷。厚労省は5月から原則縮小する雇用調整助成金などの特例措置を宣言地域で維持するが、縮小方針自体の見直しを含め対策の維持・強化を迫られかねない。(田辺裕晶)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus