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埼玉高速鉄道、「岩槻延伸構想」が加速 県・さいたま市が会議体

 赤羽岩淵駅(東京都北区)と浦和美園駅(さいたま市緑区)を結ぶ埼玉高速鉄道(14・6キロ)を、東武野田線岩槻駅(同市岩槻区)まで延伸させる構想の議論が加速し始めた。埼玉高速鉄道は、東京メトロ南北線と直通運転し、同市と東京都心をつなぐ通勤の足として定着している。ただ、延伸によって高い費用対効果が見込めるかは不透明で、実現は容易には見通せない。

 埼玉高速鉄道の延伸構想は、さいたま市が平成23年度と26年度に第三者委員会を発足させるなど、これまでも折に触れて取り沙汰されてきた。ただ、採算性などの課題が指摘され実現には至っていない。市が29年度に設置した延伸協議会の試算によると、浦和美園-岩槻間の約7・2キロを整備するには約860億円の事業費を要する。

 一方で、埼玉高速鉄道の乗車人員がおおむね増加傾向にあることなどから、採算はクリアできるとする観測も根強い。埼玉県の「公共交通の利便性向上検討会議」が3月にまとめた報告書は、浦和美園-岩槻間の延伸に関し「建設コストなどの精査を進め、採算性を確保した上で事業性を確立すべきだ」とした。

 県と市は4月末、県企画財政部長と市都市戦略本部長を中心とした部局長会議を設置し、延伸構想をめぐる課題の解決に向け議論を進めることで一致した。事業化が可能と判断すれば、埼玉高速鉄道などに対し、国への事業申請を行うよう求める運びだ。

 市幹部は「事業申請の要請に向け具体的な動きが見えてきた」と意気込む。しかし、新型コロナウイルスの感染拡大長期化で鉄道需要そのものが伸び悩む可能性があり、事業費算定のやり直しは避けられない。別の市関係者は「資材価格の高騰で費用が膨らむ可能性もある」と不安を口にした。(中村智隆)

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