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半導体強化、海外勢の協力が鍵 政府主導で始動「地政学的な優位性もある」 (1/2ページ)

 日本は政府が主導する形で、半導体産業の強化に動き始めた。基幹産業の自動車やハイテク機器の生産に不可欠な半導体の供給不足が、世界的に生じているからだ。多くの自動車メーカーは国内生産台数を減らし、景気への悪影響が懸念される。日本の半導体産業は衰退の一途をたどっており、外国勢の協力を得ることが事態打開の鍵になる。

国家の命運握る

 「高い競争力を伴った半導体、デジタル産業を持つことが国家の命運を握る」。3月24日、梶山弘志経済産業相は半導体産業の強化戦略を練るために設けた検討会議の初会合で、語気を強めた。

 民生用から軍事用まで広い分野で使われ「産業のコメ」とされる半導体の品薄は、経済安全保障上、大きな問題をはらみ、その確保は国家的課題であるとの危機感が経産相の発言ににじむ。会議は戦略の方向性を5月にまとめ、政府の成長戦略に反映させたい考えだ。

 新型コロナウイルスの感染拡大による在宅勤務の増加を要因としたパソコンの販売好調などで、半導体の需要は元々高かった。そこに中国を中心とした新車販売の回復に伴う需要増が重なって、品薄に陥った。

 米テキサス州で記録的な寒波による大規模な停電が2月に発生し、現地の半導体メーカーの生産が一時ストップ。3月には、国内半導体大手ルネサスエレクトロニクスの那珂工場(茨城県)で火災が起き、生産ラインが一時停止したことも、供給不足に拍車をかけた。

 自動車の国内生産台数について、野村証券は4~6月期に60万~80万台程度圧迫されるとみる。四半期ベースの生産は約240万台なので、25~30%強も減ることになり、4~6月期の実質経済成長率を1.0~1.3ポイント下押すと試算。同社は「無視できない大きさだ」と警戒する。

 強い半導体産業を擁する台湾や韓国を除けば、どの国・地域も調達難に陥っているとみられる。

 バイデン米大統領は2月、半導体を含む戦略物資の調達網を見直す大統領令に署名し「米国を二度と品不足に直面させない」と強調。これに呼応する形で、米半導体大手インテルは約200億ドル(2兆1800億円強)を投じて、アリゾナ州に半導体工場を2つ建設すると発表した。

 欧州連合(EU)は域内の半導体生産を拡大し、2030年に世界生産でシェア20%(現在は10%程度)の獲得を目指す。中国は21~25年の中期経済目標で、半導体や人工知能(AI)など重要な科学技術を、国を挙げて育成する方針を明確にした。

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