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百貨店、じわり売り場拡大 東京・大阪で休業要請継続

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う休業要請が東京都と大阪府で継続された百貨店業界の苦境が続いている。母の日や夏物衣料といった5月商戦を2年連続で失い、業績を下支えしてきた高額品の販売も期待薄。ゴールデンウイーク商戦では休業要請対象店舗の売上高が新型コロナ流行前(2年前)から約7割減っており、営業が認められている生活必需品売り場の対象範囲を広げる動きも出ている。

 「厳しいことになってきた。2年連続で5月が吹き飛ぶことになるとは-」。東京と大阪での休業要請継続に、百貨店関係者は絞り出すような声で話した。

 5月は百貨店にとって重要な季節。贈答品では「母の日」や6月の「父の日」向けが動き、近年では翌年4月入学のランドセル商戦もある。天候が順調なら、夏物衣料と関連小物がバーゲンではなく定価販売できる稼ぎ時だ。しかし国の営業容認と相反する東京都と大阪府の休業要請延長に、「この事態を予測した仕入れはしていなかった」と悲鳴があがる。

 休業要請は好調だった高級時計や美術品など高額品販売も直撃する。コロナ禍で海外旅行といった大型消費が封じられ、株高が進むという状況が高額品販売でのコロナ禍前を上回る結果をもたらしたが、こうした前向きな現象も休業では期待できない。

 5日までのゴールデンウイーク商戦も大打撃を受けた。東京や大阪などの大商圏で食品など生活必需品売り場だけの営業を強いられ、三越伊勢丹ホールディングスの伊勢丹新宿本店の4月29日~5月5日の売上高は2年前に比べて約7割減。他の百貨店の休業要請対象店舗も約7割減だ。

 こうした中、東京都や大阪府が生活必需品を明確に定義していないことを踏まえ、営業範囲を拡大する動きもある。高島屋は5月6日から都内4店で「顧客からの要望が多かった売り場」(広報担当者)を営業範囲に追加。高島屋新宿店では食品や化粧品などを扱う1階と地下1階だけの営業から、2階のハンドバッグや婦人靴、11階の眼鏡売り場などの営業を始めた。

 業界内では高級ブランドの路面店や、人出を呼び込むとされる大型商業施設の中でもホームセンターや家電量販店などは、都内で営業を続けてきたことに対する不満がある。百貨店関係者は「国と自治体の姿勢も割れており、今後、各社の判断が割れる可能性はある」と話している。(日野稚子)

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