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日本10社が国軍関連取引か 加担回避の具体策答えず

 クーデターを実行したミャンマー国軍や国軍系企業に関連した取引を行っていた日本企業の多くは事業見通しについて事態の推移を「注視」すると回答し、事業資金が国軍の活動費となるなど間接的な人権侵害関与を防ぐための具体的措置に関しては言及を回避した。

 国軍系企業と合弁でビール事業を展開するキリンホールディングスは2月に合弁解消を発表したが、交渉は難航。実際の提携解消のめどは立たない。「配当金の支払いは停止した」としている。

 最大都市ヤンゴンで官民ファンド「海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)」、フジタ、東京建物が進める複合施設建設では、ミャンマー国防省が所有する土地を合弁先が転貸、国防省に地代が支払われていた。関係者によれば、2020年の地代は支払い済みだが、21年以降は「検討中」という。

 国防省と国軍は実質的に一体。国防相は国軍総司令官が指名する現役軍人で文民統制は及ばないが、日本企業連合を代表して回答したフジタは「最終的な受益者はミャンマー政府と認識している」と説明した。国際協力銀行(JBIC)と協調融資したみずほ銀行と三井住友銀行は、日本の資金が国軍に流れる可能性について「個別の案件について回答できない」とした。

 日本の官民が開発するヤンゴン近郊のティラワ経済特区につながる円借款事業の「バゴー橋建設事業」は、横河ブリッジが三井住友建設との共同企業体で受注。横河ブリッジホールディングスは下請けに国軍系企業が入っていたことを認めたが、今後については「人権を尊重する」とするにとどめた。国際協力機構(JICA)は、ミャンマーでの資金協力事業で、国軍と密接な関係にある企業が参画した例はバゴー橋事業以外にはないとしている。

 国軍系企業と提携事業を行っていた食品産業機械のサタケ(広島県)は「状況を注視する」と回答。渡辺秀央元郵政相が取締役の日本ミャンマー開発機構は国軍系企業と合弁を組んだが、事業内容は説明できないとした上で「数年前から実体はない」と回答した。

 真珠養殖の許認可を受けた真珠公社が米制裁対象となったTASAKI(神戸市)は、制裁の影響を精査し「最善の対応をする」としている。

  (共同)

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