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日本10社が国軍関連取引か ミャンマー、弾圧関与の懸念

 クーデターで実権を握った国軍の弾圧により750人超が死亡したミャンマーで、少なくとも約10社の日本企業が国軍系企業との直接取引や、国軍の収入源となる可能性のある事業に参加していることが分かった。日本政府が政府開発援助(ODA)を供与する事業に国軍系企業が関与した例や、政府系金融機関が融資を実施した事業もあった。民主化の軌道復帰が困難になる中、日本の資金が人権侵害を繰り返す国軍の活動資源になる懸念がある。

 欧米は国軍系企業への制裁を発動し投資停止を呼び掛けており、日本側も事業見直しを迫られそうだ。ミャンマーの公社や政府系企業を協力先とした場合も欧米の制裁対象となる恐れがある。

 キリンホールディングスがビール事業で国軍系企業との合弁解消決定に追い込まれるなど、国軍とつながる企業は株主の批判や市民の不買運動に直面。一方で国軍との「パイプ」を重視する日本政府は制裁を控えており、多額の資本を投じてきた多くの日本企業は進退判断に苦慮している。

 共同通信は、国連や国際人権団体などが国軍との関係を指摘した日本企業を対象に調査を実施。多くの企業が既に配当金の支払いを停止したと回答したが、事業の見通しについては大半が具体的な回答を回避した。

 2011年のミャンマー民政移管後、日本政府は民主化支援へODAを再開し、約400社の日本企業が進出した。外資規制のため現地企業をパートナーとする必要があり、国軍系企業と提携するケースも出てきた。

 官民ファンド「海外交通・都市開発事業支援機構(JOIN)」、フジタ、東京建物の日本企業連合が参加する最大都市ヤンゴンの再開発事業では、年間2億円超の地代が合弁先を通じ国防省に支払われていたことが判明。国軍の活動費に充てられた可能性がある。この事業には国際協力銀行(JBIC)とメガバンク2行が融資していた。

 横河ブリッジが共同企業体で受注した国際協力機構(JICA)支援のODA事業では、橋建設工事の下請けに国軍系企業が含まれていた。日本ミャンマー協会会長の渡辺秀央元郵政相が登記上、取締役の企業も国軍系企業と合弁会社を設立したが、活動停止状態としている。食品産業機械のサタケ(広島県)は国軍系企業と提携していた。

 宝飾大手のTASAKI(神戸市)は、国軍の資金源だとして米制裁対象となったミャンマー真珠公社に真珠養殖の許認可を受け、法令で生産高の一部を物納していた。(共同)

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