サービス

日航、再上場後初の通期赤字 コスト削減も及ばず

 日本航空が7日発表した2021年3月期連結決算は、最終損益が2866億円の赤字(前期は480億円の黒字)だった。新型コロナウイルス感染拡大の長期化による旅客需要の減少が響き、コスト削減にも限界があった。通期赤字は12年の再上場後初めて。全日本空輸を傘下に持つANAホールディングスは過去最悪の4046億円の赤字で、大手2社が巨額損失を計上した。

 日航の売上高は前期比65.3%減の4812億円だった。旅客収入は大規模な減便が続き、国内線が67.2%減、国際線が94.3%減だった。

 22年3月期の連結業績予想は「収入見通しを合理的に見積もることは困難」だとして、公表を見送った。業績予想の非開示は2年連続。

 東京都内で記者会見した赤坂祐二社長は「コロナの影響が長く続き、グループは大変厳しい状況にある」と強調。国内線のネットワークについては「グループ全体で、これまで通り維持する」と説明した。

 同時に26年3月期まで5年間の中期経営計画を発表し、24年3月期までに税金や利払いの影響を除いた利益で新型コロナ感染症流行前の水準となる1700億円に戻す目標を盛り込んだ。26年3月期に1850億円を目指す。

 旅客需要は出張がオンライン会議に代替されるなどしてビジネス利用が完全には戻らないとの懸念から、観光需要の創出に力を入れる。中国系の格安航空会社(LCC)、春秋航空日本(千葉県成田市)に追加出資して連結子会社化する予定など、高価格帯の「JAL」ブランドだけに頼らない収益の拡大を目指す。

 日航は50年の二酸化炭素(CO2)の排出実質ゼロ達成に向け、廃プラスチック由来の国産再生燃料などSAF(持続可能な航空燃料)の利用比率を30年に10%へ引き上げる方針を正式に発表した。

【用語解説】コロナ下の航空旅客需要

 新型コロナウイルス流行により、国内航空大手の旅客収入は2020年春に急減して以降、低迷が長期化している。一方で、米航空大手はワクチン接種の普及を背景に各社とも最悪期を抜けたとされる。国際航空運送協会(IATA)は、21年の世界の航空需要が19年比で43%にとどまると予測。コロナ前の水準に戻るのは24年ごろになるとしている。

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus