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日航 構造改革、LCCの活用重要

 航空大手2社が通期決算で巨額赤字に陥った。ANAホールディングスが5900億円、日本航空が1350億円ものコスト削減をそれぞれ実現したが、稼ぎ頭だった国際線の収入を9割以上吹き飛ばした新型コロナウイルス感染拡大の影響に太刀打ちできなかった。背景には、人件費など「固定費」の割合の高さがある。収益構造の転換を図るべく改革を進めているが、安定経営への道は険しい。

 固定費は売り上げに応じて増減する燃料費などの「変動費」と異なり、売り上げがなくても整備費や駐機料などがかさむ。好況時は固定資産の有効活用で売上高を伸ばせるが、今回のような不況時では裏目に出るため、構造的にハイリスク・ハイリターンといえる。両社が社運を懸けて取り組む構造改革では、ビジネスだけでなく観光の需要も取り込むため、グループの格安航空会社(LCC)活用が重要となる。将来のリスク分散のため、金融や物販など航空事業以外の収益源確保も急ぐ。

 ただ、需要が順調に回復しても課題は山積みだ。日航は自己資本比率が低下。ANAも1兆6000億円以上の有利子負債を抱え、返済負担が重くのしかかる。さらに二酸化炭素(CO2)排出量の抑制といった環境対応にも迫られ、コストは増大する方向に傾く。

 安定した経営環境が見渡せるまで、急峻(きゅうしゅん)な上り坂が続く。市場の変化は速く、一息つく間もなく構造改革の推進が求められる。

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