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トヨタ、コロナ禍でも増収 最終利益2.2兆円 電動化など研究開発にも積極投資

 トヨタ自動車が12日発表した令和3年3月期連結決算は、最終利益が前期比10・3%増の2兆2452億円だった。売上高は前期比8・9%減の27兆2145億円だったが、コスト削減などが寄与し、増益を確保。新型コロナウイルス禍でも最終増益を確保する底力を見せつけた。ただ、世界各国が目指す脱炭素の実現に向けて電動化が大きな課題であることには変わりはない。世界的に電気自動車(EV)へのシフトが進む中でも、ハイブリッド車(HV)や燃料電池車(FCV)などにも目を配り、研究開発にも積極的に投資する姿勢を示した。

 12日にオンラインで行われた3年3月期決算の記者会見。平成21年の就任以来、本決算の会見に欠かさず出席してきた豊田章男社長の姿はなく、取締役と執行役員の計5人が決算報告に加え、技術課題などについて詳細に説明する異例の形式となった。

 「技術を限定するのではなく、さまざまな選択肢に挑戦することに全力を注いでいる」。長田准執行役員はこう強調し、HVを中心とした電動車の世界販売台数を令和12(2030)年に800万台とし、4分の1はEVとFCVとするとの目標を示した。

 トヨタは7年までにEV15車種を投入する計画を掲げる一方で、水素を燃やして走るエンジン車の開発をすることも表明。水素エンジンは二酸化炭素(CO2)を出さないうえ、現行のガソリン車の部品を活用できる利点がある。今月21~23日に富士スピードウェイ(静岡県小山町)で開かれる24時間耐久レースにまずは導入してデータを収集し、課題の洗い出しを行う。

 水素エンジン車について報道陣から「どの程度、真剣に投資するのか」と問われ、前田昌彦執行役員は、豊田氏がレースに自らドライバーとして参加することを踏まえ、「真剣でないわけがない」とし、「一つのソリューション(課題解決)になるのではないか」と意義を強調した。

 令和4年3月期は、研究開発費が前期比約700億円増の1兆1600億円になる見通しだ。

 電動化に加え、インターネットに接続して多様なサービスを提供するコネクテッドカー(つながる車)の技術などに積極的に投資するといい、近健太最高財務責任者(CFO)は「必要性のないものはやめて新しいものに振り向ける」と述べた。(宇野貴文)

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