自動車

日産複数幹部が「報酬隠し」証言 ケリー被告どう反論

 カルロス・ゴーン被告の役員報酬過少記載事件をめぐるグレゴリー・ケリー被告の東京地裁での公判では、これまでの証人尋問で、複数の日産幹部がゴーン被告の報酬を過少記載するに至った経緯を詳細に証言している。この日の被告人質問でも無罪主張を維持し、「報酬隠し」という検察側の主張を真っ向から否定したケリー被告だが、今後、どこまで実効的な「反論」を積み上げられるかがカギとなる。

 昨年9月15日に始まったケリー被告の公判の最大の争点は、8年間で約91億円に上るとされるゴーン被告への「未払い報酬」が、有価証券報告書に記載が必要な「確定した報酬」だったか否かだ。

 検察側は、公判の中で「ゴーン被告への高額報酬を隠すために、ケリー被告らが共謀して報告書に過少記載した」という構図で立証を進めてきた。その柱となったのが、過少記載の実行役を担ったとされ、司法取引(協議・合意制度)に応じた大沼敏明元秘書室長と、ハリ・ナダ専務執行役員の証言だった。

 大沼氏は「開示を避けて、どのように未払い報酬を支払うのか検討してきた」と証言。ケリー被告に対し、報告書への記載額を「必要に応じて、要望があったときに伝えてきた」とした。ナダ氏も「いつもケリー被告の指示を受けた」などと証言している。

 対するケリー被告は、この日の被告人質問で、報酬については大沼氏が「直接ゴーン氏と関わっていた」とし、自身の関与を改めて否定。報酬の支払い方法を検討するため、大沼氏がケリー被告の指示に基づいて作成したと証言した書類についても「作成を求めた事実はない」とし、「(ゴーン被告に)この書類を示したり、書類の内容を伝えたこともない」と強調した。

 一方、ある検察幹部は「(ゴーン被告の報酬を過少に記載したのは)役員報酬の開示規則が変更されるのに伴う動きで、ケリー被告は当初から関わっている。(報酬隠しへの)関与を否定するのは難しいのではないか」と話している。(吉原実)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus