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日本酒とワインの「二刀流」 名古屋の酒造会社、栽培から醸造まで一手に

 日本酒とワインをともに原料から手掛ける酒造会社が名古屋市にある。1647年創業の萬乗醸造だ。「世界で唯一」と自負する二刀流に挑む15代目蔵元の久野九平治さん(55)は「オンリーワンの存在にならなければ、人を魅了する酒を世に送り出せない」と力を込める。

 日本酒の原料となる米は兵庫県西脇市で栽培。ワインはフランス・ブルゴーニュ地方で古参スタッフがブドウ栽培から醸造まで手掛ける。

 日本酒の造り手として、原料の米作りを農家に任せてきたことに、どこか引け目を感じていた。「米を育てなきゃ、自分の言葉で米の魅力を語れない」と、2010年に稲作を開始。毎年天候と向き合いながら試行錯誤を繰り返し、土地と品種に合った農法を確立してきた。

 米作りが軌道に乗ると、今度はワインに目が向くように。本場フランスでは「原料のブドウが全て」という文化が定着。13年にスタッフを渡仏させ、語学学校や醸造所で研修を積ませた。

 久野さん自身もフランスに飛び、畑仕事や醸造に携わる。17年には自社の畑から収穫されたブドウで初醸造。熟成期間を経て、20年に4種類のワインの国内販売にこぎ着けた。「両方を原料から育てて、その尊さが分かった」

 ワイン造りを始めたことで、日本酒を海外に売り込む際の説得力も増したと実感。「この魚介料理には、ワインより日本酒の方が合う」といった提案を、自信を持ってできるようになったという。

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