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楽天G251億円の最終赤字 1~3月期 携帯事業“勝負の2年目”も収益化見えず 

 楽天グループが13日発表した令和3年1~3月期連結決算は最終損益が251億円の赤字(前年同期は353億円の赤字)となった。新型コロナウイルスの感染拡大で、楽天市場などのインターネット事業は好調だが、昨年4月に本格参入した携帯電話事業への先行投資が重しとなっている。早期の収益化へ携帯事業は“勝負の2年目”を迎えるが道筋は見通せず、中国企業による出資や、ライバル企業からの訴訟など、逆にブランドを毀損(きそん)する事態が続いている。

 携帯電話事業は972億円の赤字だった。ただ携帯事業の将来性について、同日記者会見した三木谷浩史会長兼社長は「本当に大きな利益が出てくる」と強気の姿勢を崩さなかった。

 利用者もこの1年間で410万人にまで増えたことを明らかにしたが、1年間無料という破格のキャンペーンの影響も大きいとみられ、今後は顧客離れも懸念される。実際、NTTドコモの井伊基之社長も12日の会見で「そちら(楽天)に行った方も一定程度戻ってきてる」と明かした。

 データ通信量が無制限で月額3278円(税込み)と価格面ではまだ優位性はあるが、自社回線の人口カバー率は3月末時点で80%と、100%近い大手と比べれば見劣りは否めない。

 今後も基地局整備を急ぐ考えだが、楽天に転職した元ソフトバンク社員が同社の営業秘密を持ちだした問題は民事訴訟に発展。ソフトバンク側は最大1千億円の損害賠償と一部基地局の使用停止などを求める方針で、今後の基地局整備に影響が出る可能性がある。

 携帯事業で多額の投資が必要となった結果、日本郵政などから2400億円規模の出資も受け入れた。しかし、出資者に中国IT大手の騰訊控股(テンセント)子会社もいたことから、個人情報流出を懸念する日米両政府が楽天に対する監視を強化。グループの事業全体にも悪影響が及びかねない事態となっている。

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