金融

コロナ回復の見通し明るいが…FRB「米経済は目標から程遠い」

 米連邦準備制度理事会(FRB)のブレイナード理事は、米経済は金融当局の目標からまだ程遠いと指摘し、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)からの回復に伴うゆがみが落ち着く中で、政策当局者らは引き続き辛抱強さを示すことが必要だとの認識を示した。

 理事は11日、ソサエティー・フォー・アドバンシング・ビジネス・エディティング・アンド・ライティング(SABEW)主催のバーチャル形式のイベントで「見通しは明るいがリスクは残っており、われわれの目標からは程遠い」と指摘。「ガイダンスに盛り込まれた最大限の雇用とインフレの目標達成に今後も辛抱強く集中することが重要になる」と述べた。

 ブレイナード氏は「経済の道筋をめぐっては通常より大きな不透明感が存在する」とし、予想ではなく結果に基づいた政策を進めることで連邦公開市場委員会(FOMC)は前向きな成果を上げるとの見解を示した。一方で、これまで増えてきた家計の貯蓄がどの程度速いペースで消費に回されるかについては疑問が残るとしたほか、半導体といった原材料のボトルネックにより自動車など一部業界で採用と生産が限定的になっていると指摘した。

 雇用情勢については「4月雇用統計では調査期間の終わり時点において、18歳から64歳でワクチン接種を完全に済ませていたのは4分の1未満だったことを踏まえると、健康と安全への懸念は人と接する仕事や公共交通機関を利用しなければならない人々にとって依然重大で、育児は多くの親にとってなお厳しいものになっているといえる」と語った。

 インフレをめぐっては、労働市場とモノ・サービスの市場の両方における摩擦は時間とともに解消されるだろうと述べ、インフレ高進が続くとの懸念の緩和に努めた。ブレイナード理事は「インフレ高進が持続するためには、経済活動の再開後に賃金と物価の上昇が一定期間続くだけでなく、より速いペースで根強く上昇し続けるという幅広い期待も必要だ」と指摘。「パンデミックに関連した限定された期間の物価上昇がインフレのダイナミクスを恒久的に変化させる可能性は低い」と語った。

 さらにインフレをめぐるリスクには2つの面があるとし、過去数十年に定着した低インフレのダイナミクスが再び台頭する可能性もあると指摘。「経済活動の再開後は、当局のフォワードガイダンスにある目標の達成のため力強い基調的なモメンタムが必要になる」と述べた。(ブルームバーグ Craig Torres)

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