金融

5大銀、今期回復見込みも効率化が鍵 求められる一層のコスト圧縮

 新型コロナウイルス禍からの本格的な景気回復を想定し、2022年3月期の業績については5大銀行グループ全社が最終増益を見込んだ。ただ、蔓延(まんえん)防止等重点措置の適用地域拡大や3回目の緊急事態宣言が発出され、コロナ禍の長期化による融資先の貸し倒れに備えた与信費用の増大懸念は拭えない。各行は感染防止のための窓口業務や店舗削減に加え、業務効率化による一層のコスト圧縮が求められそうだ。

 「日本経済は来年1~3月期にコロナ前の水準に戻る前提で業績見通しを立てた」。14日に会見したみずほフィナンシャルグループ(FG)の坂井辰史社長がこう強調したように、各社とも今年度の業績に対するコロナによる下押し圧力は、ワクチン接種の進捗(しんちょく)に伴い大幅に軽減されると予想。株式相場の上昇による株式等関係損益の改善などもあり、各社とも今年度の最終利益は前期比1~2割程度増益になるとみている。

 だが、軽減されるとはいえ、コロナの影響が長期化するリスクへの警戒感は根強い。三井住友FGは「影響がどれだけ長期化、深刻化するか見えない」(太田純社長)として、今年度も与信費用を3000億円(前年度3605億円)計上している。

 実質無利子・無担保融資の民間金融機関の受け付けが3月末に終了し、コロナ禍の長期化で飲食や旅行関連企業の息切れ倒産が急増する可能性もある。各社とも前年度並みか、それ以上の与信費用を“予防的”に積み増す保守的な対応が目立つ。

 一方で長期化を見越し、銀行の店舗削減などの構造改革も一気に加速しそうだ。感染防止の観点も踏まえ、三菱UFJは23年度末までに店舗を4割削減し、一部店舗で窓口業務を省くという。

 各行とも同様に店舗や人員削減を進める中、顧客の行動変容に対応した業務効率化を、いかに迅速に徹底できるかが収益面での明暗を分けそうだ。(西村利也)

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