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東京中小企業家同友会、複数社合同で職場接種開催へ 企業7割「参加したい」

 大企業が先行して準備が進んでいる新型コロナウイルスワクチンの職場接種。ここにきて、中小・ベンチャー企業でもその動きが広がり始めた。国は職場接種の対象を1会場当たり最低1000人程度としているが、中小・ベンチャー企業の従業員数は多くても数十人。そこで複数社合同の職場接種を開くことで、1000人の壁を乗り越えた。

 1日2000人ペース

 東京都内の中小企業約2450社が加盟する東京中小企業家同友会は11日、厚生労働省の職場接種会場申請サイトに登録した。8日に会員企業に職場接種に関するアンケートを実施したところ、回答数158件の約70%が「参加したい」と回答した。

 これを受けて、東京同友会は合同職場接種の開催に向けて、都内の医療機関に協力を要請し、接種の打ち手となる医師や問診を担当する看護師など23人を確保。7月5日に第1回の合同職場接種を東京都内で開催する方向で準備を進めている。

 中小企業の中には、接種のために人員が欠けることで、業務への影響を懸念する経営者も少なくない。このため、東京同友会の林隆史事務局長は「昼間だけでなく午後5時からの接種会の開催も検討したい」と話す。

 独立系ベンチャーキャピタル(VC)のコーラル・キャピタル(東京都千代田区)は、投資先となるベンチャー企業の従業員などを対象とした、新型コロナウイルスワクチンの合同職場接種を23日にも東京都内で実施する。

 14日に開かれたリハーサルでは、コーラルの6人の従業員が接種を受ける役となり、接種会当日に参加する医師や看護師とともに受付や接種の手順、さらに途中で滞留せずにスムーズに人が流れるかを確認していた。接種は1日2000人のペースで実施する予定。コーラルは他のVCにも合同職場接種への参加を呼び掛けたところ、約40のVCがこれに応じ、接種希望者は2万5000人に達した。

 呼びかけに応じたVCの一つ、ジェネシア・ベンチャーズ(同港区)の担当者は「行動制限を余儀なくされる中、投資先企業の事業活動にも影響が出ている。感染の不安なく事業に励むことができる環境を整えることも、投資先への支援につながる」と、コーラルの呼びかけに応じた理由を述べた。

 ジェネシアの投資先である建設ITベンチャーのフォトラクション(同中央区)の担当者も「従業員の中には小さな子供を抱えた人も多く、家庭内感染への不安もあった。接種の機会が作れてよかった」と話す。

 投資先従業員も

 コーラルとは別に、グリーベンチャーズ(同港区)も職場接種を計画しており、同社の全従業員とその家族に加え、投資先ベンチャー企業の従業員も職場接種の対象と位置付けた。

 社歴の浅いベンチャー企業や中小企業の多くは、自社で産業医を抱えていないところがほとんど。また事務所スペースも狭く、接種のための待機場所などを作ることも困難だ。大企業との接種機会の格差が懸念される中、中小・ベンチャー企業の合同接種に向けた取り組みは注目されそうだ。(松村信仁)

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