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緊急事態宣言の解除 気の緩み、「第5波」到来を懸念

 9都道府県で緊急事態宣言の解除が決まり、外食産業などからは期待の声も上がる。ただ、懸念されるのは気の緩みによる感染「第5波」の到来だ。ここまでテレワークはさほど定着せず、自粛の反動から繁華街での酒類の提供が加速する可能性も予想される。ワクチン接種は進みつつあるが、当面は感染防止策を踏まえた経済活動の実施が求められそうだ。

 政府は人の流れを抑制する策として、事業者に出勤者の7割減を求め、テレワークを推進してきた。しかし日本生産性本部が被雇用者を対象にした調査によると、テレワークの実施率は昨年5月で3割強。その後はさらに低調で2割前後を推移し、今年4月は19.2%にとどまった。

 また、今回の緊急事態宣言下の自治体などでは、飲食店での酒類提供が事実上禁止となった。ただ協力金の支給の遅れなどを背景に、すでに“解禁”に踏み切る店もあるのが実情だ。21日から「蔓延(まんえん)防止等重点措置」に移行する地域では、時間を限った酒類の提供を認めるが、自粛疲れの高まりでルールがなし崩しになる可能性もある。

 いちよし経済研究所の鮫島誠一郎首席研究員は、ワクチン接種のペースから、12月から来年1月ごろに経済活動が以前の水準に回復すると推測するが、感染拡大のサイクルから「8月ごろに次の感染の波が来る可能性もある」とみる。

 同時期は東京五輪・パラリンピック期間に重なる。1月からの前回の緊急事態宣言時も、大阪府が2月末に解除して間もなく感染者数が急増。約2カ月後には1日1000人ペースになるなどしており、解除後も当面は慎重さが求められる。

 一方、重点措置対象地域では、知事の判断でお酒の提供が停止となる場合もあり、長らく我慢が続いた外食産業は、首長の決断に固唾をのむ。

 居酒屋「鳥貴族」を展開する鳥貴族ホールディングスは現在、「安全のため」として全直営店の9割を休業中。今後の営業は「基本的に要請内容を確認してからの決定となる」とし、重点措置移行後も国や自治体の要請に対応する方針だ。宣言対象地域などで居酒屋を休業している外食大手ワタミも「営業するとしても食材や人の手配に準備が必要だ」とし、明確な方向性は打ち出せないままだ。

 全国酒類業務用卸連合会の担当者は、飲酒そのものを感染リスクとする国や自治体の呼びかけに疑問を呈し、「きちんとした基準で安全性が認められた飲食店は制限を和らげるなど、店の実態に応じた規制が妥当ではないか」と話した。

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