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着物は「普段着」…街から情報発信 タイ料理店とのコラボや街歩きも

 着物や浴衣を着る機会を増やそうと、栃木県内の業界関係者が奮闘している。宇都宮市中心街からの情報発信や、料理と音楽とのコラボレーション、日光市では街歩きのアイテムとして着物をPR。新型コロナウイルスの感染防止に配慮しながらの活動だが、普段着としての着物文化を次世代へ継承しようと意気込む。

 着物販売・レンタル店「きものHAUS」(宇都宮市松原)は先月15日、同市二荒町の元病院を改修したビルに2号店をオープン。ビルには、解体予定だった歴史的な建物の再生プロジェクトに賛同した同店のほか、エスプレッソ店、服飾雑貨店、バー、美容店など個性的な7店が入居する。

 きものHAUSの荻原貴則代表(34)は、花魁(おいらん)姿の女性が宇都宮市内の商店街を練り歩くイベント「宮魁道中」を実施。8月28日には竹林が広がる「若竹の杜 若山農場」(同市宝木本町)で和服を着て音楽と食事を楽しむイベントを行う。荻原さんは「宇都宮の中心から着物文化を発信したい」と話す。

 ほかにも呉服店「けいしょう」(同市西一の沢町)は20日、同市下戸祭のタイ料理店「イサーン」で、フルート奏者とコラボしたイベントを開く。同店の中鉢国昭代表(79)は、着物を持参した参加者の着付けを無料で行う。

 中鉢さんは毎年5月、織物の生産が盛んな新潟県十日町市で開かれる「きものまつり」(今年は新型コロナの影響で10月に延期)に顧客らと一緒に参加してきた。中鉢さんは「着物を普段着として利用してもらいたい」という思いを実現しようと、四季に合わせた催しを開いている。

 写真スタジオなどを運営する「日本文化伝承うたかた」(日光市中鉢石町)では、世界遺産「日光の二社一寺」を散策する着物レンタルプランを実施している。新型コロナの影響で訪日外国人客が少なくなったが、若い日本人女性の利用が増えている。同社は「七五三のお祝いで両親が着物を着るケースもあるなど、日本文化が見直されている」と手応えを語る。

 共通するのは「着物は『着る』物」という考えだ。「『着物を着たいけれど着る機会がない』という声に応え、機会をつくっている」(荻原さん)、「3回着れば、自分で着付けができる」(中鉢さん)。着物文化を継承しようという地道な取り組みは、コロナ禍でも実を結びつつある。(鈴木正行)

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