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サイバー攻撃 インフラ設備を標的、生活直撃

 「ランサムウエア」のサイバー攻撃を受け「身代金」を奪われる被害が世界で拡大している現状が鮮明になった。米国では石油パイプラインなどインフラ設備が被害を受け市民生活を直撃。ロシア系ハッカーの関与が指摘され、バイデン米大統領が16日の米露首脳会談でプーチン大統領に警告した。1カ月後に迫った東京五輪も標的になる可能性がある。

 5月中旬、米国では給油所にガソリンを求める消費者が殺到した。米最大のコロニアルパイプラインがサイバー攻撃を受け、操業の一時停止に追い込まれた。東海岸で消費される燃料の約45%を輸送する「大動脈」が6日間にわたりストップ。一部の給油所はガソリン不足になり、全米平均価格も1ガロン(約3.8リットル)当たり3ドル(約330円)に上昇し、日本でも影響が出た。

 同社は440万ドル(約4億8000万円)をハッカーに支払った。国民生活への影響を考慮したことが理由で「苦渋の選択だった」と経営幹部。身代金の一部は当局が後日取り戻した。

 世界中に拠点を持つ食肉加工大手JBSも狙われた。同社は米国内の牛肉処理の約4分の1を担うが、米国とオーストラリアの全施設の操業が止まり1100万ドル(約12億円)を支払った。

 このほか米東部マサチューセッツ州のフェリー会社や米ニューヨークの都市圏交通公社も攻撃を受けた。病院も狙われやすく、日本では福島、奈良両県の病院が被害に遭っている。

 米連邦捜査局(FBI)は、石油パイプラインなどへの攻撃について、手口や使用言語などからロシアのハッカー集団の犯行と断定。バイデン大統領は米露首脳会談で、米国の16の重要インフラ分野を標的にしないよう警告した。

 情報セキュリティー企業「S&J」の三輪信雄社長は「ハッカーは同時に大量のデータを送り付けシステムをダウンさせるDDoS攻撃などで三重四重に攻撃する」と注意を呼び掛けた。

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