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第三者団体の評価で製品認知度アップ

 リディアワークス代表取締役・小林史人

 製品の良さを伝えるのは難しい。多くの特徴や利点があると、なおさらだ。そんな時、第三者団体によって評価されると、一定の権威付けとなり、認知度が進む。当社の布看板「ルーファス」が、そうだった。2019年度グッドデザイン賞ベスト100を受賞したことで、初めて製品説明を聞いてもらう顧客にも良いイメージが伝わり、提案が通りやすくなった。中小企業庁の「2020年はばたく中小企業・小規模事業者300社」選定の要因にもなった。グッドデザイン賞に挑戦するまでの準備や、審査状況などをまとめてみたい。

 まず、グッドデザイン賞に応募する上で開発の経緯や意義、デザイン要素をあらためて振り返った。選考基準の要素に照らし合わせて、強みや特徴をまとめあげた。1次審査の書類選考は、なんとか通過した。2次審査では製品の実物を指定の会場へ展示し、審査員に評価してもらう。「ルーファス」の外観は、既存のアクリル看板と見分けがつかない。

 数分間の補足説明が可能だったので、簡潔に従来看板や競合製品との違いを明らかにした。この結果、2次審査も無事通過した。続いてプレゼンテーションによる審査が行われ、受賞することができた。受賞の恩恵は多岐にわたった。

 審査の際に説明した内容をまとめてみる。まず、使いやすさとさまざまな配慮は、誰でも簡単に設置できる利便性のほか、燃えにくい布や落下事故が少ない軽量フレームといった防災面を強調した。新技術や創意工夫は、シワがなく、きれいに張れる展張構造(国際特許取得)をアピールした。過去の文脈や蓄積は、商店の看板や掲示板が広告看板へと進化してきた過程や、映像や動画では提供できない付加価値を説明した。

 持続可能な社会への貢献は、ワンウェイ(使い捨て)プラスチックの削減や製造時の二酸化炭素(CO2)排出量の抑制、少ない発光ダイオード(LED)による省電力化を掲げた。このほか、新たな価値として膜天井の照明や光壁といった新しい提案を行った。

 メーカーがこだわりの製品を開発したとしても、世の中に知られないと、売れないし、使ってもらえない。広報・宣伝活動はもちろん、著名なデザインアワードの受賞は大きな力になる。しかし、グッドデザイン賞ベスト100は、大企業の製品でも受賞するのは容易ではない。東京の下町の中小企業である当社が受賞できたのは、サポートしていただいた人々の的確なアドバイスや担当者の熱意があってのことであり、感謝している。

【プロフィル】小林史人

 こばやし・ふみと 本所高卒。山崎組、京王運輸、プロラボを経て2003年に家業のコバヤシ看板入社。10年リディアワークスを設立。誰でも上手に張れて環境にも優しい布看板「ルーファス」を開発し2019グッドデザイン賞ベスト100、2020年はばたく中小企業300社(経産省)選定。20年には除菌フィルム「キルウイルス」を開発し販売会社ウイルスケア設立。42歳。東京都出身。

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