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台湾パイン応援フェアで商品続々 総合プロデューサーが感じた手応え

 九州の食や伝統工芸などの魅力への理解を深める社会実験「One Kyushu ミュージアム」(一般社団法人都心空間交流デザイン主催)による「台湾パイナップルフェア」で、デザートやカクテルなどの商品が続々と登場、好評を博している。主要輸出先だった中国の禁輸で苦境に立った台湾パインを応援するため、息の長い消費拡大を目指す試み。総合プロデューサーの建築家、松岡恭子氏は「素材のままおいしい台湾パインの加工にみなさん苦労されていたが、それだけに感動的な味になった」と手応えを感じている。(松岡達郎)

 フェアは、台湾パイナップルのおいしい食べ方を開発・提案することで、日本と台湾双方での消費拡大につなげるため、5~6月の旬に合わせて展開。台湾パイナップルをめぐっては、中国政府が2月、検疫で害虫が検出したことを理由に輸入停止を発表したことで波紋が広がっており、日本で応援の機運が高まっていた。

 「One Kyushu ミュージアム」の呼び掛けに応じた九州のパティシエやシェフ、ソムリエら食のプロたちが協力し、それぞれの店などで開発したレシピを公開したり、商品を販売したりしている。

 福岡市中央区の西鉄グランドホテルは、素材を丸ごと生かしたオリジナルの手作りの「幸せの台湾パイナップルコンフィチュール」(ジャム)を開発し今月から店頭などで販売。さわやかで上品な甘さが人気で、すでに50個以上が売れたという。西鉄ホテルズ営業戦略部の松本憲治部長(商品企画担当)は「丸ごとジャムにしたのでおいしい。来年の旬以降の商品化も検討したい」と語る。

 同区の仏料理店「レザンドール」は、パイナップル入りの仏伝統の氷菓ヌガーグラッセやシャーベットなどを提案し、店頭やオンラインで販売するほか、店内飲食でも提供している。また、台湾パインと九州産のかんきつに糸島や八女のはちみつを加えたサングリアの素も販売しており、ワインに入れるだけでなく、ヨーグルトやスイーツのソースとしても使え、炭酸水を割っても楽しめるため喜ばれている。

 同区の「Bar Oscar」(バー・オスカー)では、オーナーバーテンダーの長友修一氏が、緊急事態宣言中はアルコールを提供できないなか、パイナップルと糸島産ミックスハーブを使ったノンアルコールカクテルを提供中だ。

 奄美大島(鹿児島県龍郷町)のいずみ農園直営ジェラテリア「ラフォンテ」は果汁を使ったジェラートを5月から販売したところ製造した分が何度も売り切れた。泉久美子代表も「応援が必要なら来年以降も商品をつくりたい」と話している。

 台湾パインの旬はまもなく終わるが、「One Kyushu ミュージアム」は来年の旬以降もフェアを継続し、食を通した台湾と九州の交流にもつなげる考え。松岡氏は「コロナ禍で落ち込んでいた協力企業からは『新しいレシピを考えるきっかけになった』と喜んでいただいた。業界の横のつながりができるきっかけにもなり、九州のブランド力をつけることになっていけば」としている。

 問い合わせは、都心空間交流デザイン(092・732・3121)。

 【One Kyushu ミュージアム】 福岡都心部の空き店舗を活用し、九州の魅力を知る機会を結びつけ、新しい交流の場を生み出す社会実験。建築家の松岡恭子氏が総合プロデューサーとして、昨年秋に福岡市中央区大名の複数会場で開かれた。九州の食、酒、焼きもの、茶葉などを展示・紹介し、専門家がセミナーやワークショップで解説、背景にある物語を知ってもらうことで九州の魅力再発見につなげた。

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