テクノロジー

医療ベンチャー、がん検診革新 尿判定やAI活用「ウィズコロナ」に対応 (2/2ページ)

 乳がんの検診装置として一般的なX線撮影の「マンモグラフィー」は2枚の圧迫板で乳房を挟むため強い痛みを伴ううえ、撮影した画像には乳腺も腫瘍も白く写るため、経験を積んだ医師でないと、がんを見抜けない課題があった。これに対し、新装置「COCOLY(ココリー)」は受診者が装置上でうつぶせになり、所定の穴に乳房を入れるだけで検査できる。穴と同じ大きさのリング状の超音波診断機器が上下に動いて乳房内部を画像撮影する仕組みで、検診時の痛みは全くない。

 乳がんの超音波画像診断装置には乳房にエコーなどの探針器(プローブ)をあてながら動かすタイプもあるが、検査の度に常に同じ角度で画像を撮ることは難しい。その点、常に穴に入れた同じ状態で乳房全体を撮影できる新装置は部位の撮り漏れが起きず、優れた経過観察診断ができるという。

 新装置の価格は通常のマンモグラフィーの2倍超と割高だが、結婚や出産、育児など女性の大事な選択肢を「乳がんで狭められることがない世の中を作りたい」と、東志保社長は普及に意欲を示す。

 現場負担減で高精度

 一方、がん検診を行う医師らのサポート役として期待されるのが、東大発のエルピクセル(東京都千代田区)などが開発したAI診断だ。

 胸部X線画像から肺の内部のできものなどによる「肺結節」を効率的に検出する診断ソフトで、既に医療機関に販売。AIの一種であるディープラーニング(深層学習)技術により、肺がんや肺結核などが疑われる肺結節の画像診断の精度が、医師単独の判断に比べて放射線科専門医の場合で9.95%、非専門医で13.1%向上するという。

 また、医療ベンチャーのAIメディカルサービス(東京都豊島区)も、来年の実用化に向けて、内視鏡で撮影した画像からAIががんを見つけ出す技術を開発している。

 コロナ対策で医療従事者の負担が大きくなる中、AIによる診断支援はがん検診の質の向上・維持に大きく貢献しそうだ。(松村信仁)

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