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自動車の“足”進化続く、脱炭素へEV向けの「エアレスタイヤ」加速

 交通事故の撲滅や脱炭素社会の実現に向けて、自動車の「足」となるタイヤの進化が続く。冬のすべりやすい路面でも安全に運転できるスタッドレスタイヤの進化に加え、電気自動車(EV)の普及にも対応した、空気不要の「エアレスタイヤ」の開発も加速。将来の自動車社会での活躍が期待される。

 スタッドレスタイヤ「ブリザック」を展開するブリヂストンは、乗用車用新商品「VRX3」を9月1日から順次発売する。

 すべり事故の原因となる氷上の水膜を除去する独自技術「発泡ゴム」などを進化させ、タイヤが路面をとらえて張り付く力を改善。平成29年発売の従来製品「VRX2」と比べ、氷上ブレーキ性能を20%、タイヤを摩耗しにくくさせる性能も17%向上させた。2世代分(約8年)の進化を遂げたという。

 一方、世界的な潮流である環境性能向上に向けた進化と開発も進んでいる。

 ブリヂストンに世界シェアで競合する仏ミシュランの日本法人、日本ミシュランタイヤ(東京)は、環境性能を向上させた、ハイブリッド車(HV)など向けタイヤの新製品「イープライマシー」を8月3日から順次発売する。

 新たに開発した高弾性ゴムを採用し、路面に接する部分のゴムの変形によるエネルギーロスを抑制。走行時に生じる抵抗を従来製品に比べて約2割減らして燃費性能を高め、二酸化炭素(CO2)の排出削減につなげる。須藤元社長は「ユーザー一人一人が環境課題に貢献できる製品ということを体感してもらいたい」と期待する。

 さらに、空気を入れるというタイヤの「常識」を覆すエアレスタイヤの開発も進められている。

 接地面とホイールの間に入った空気がクッションの役割を担う従来のタイヤと異なり、空気の代わりに樹脂製の柱を配置して車体を支える仕組みだ。

 パンクの心配がなく、廃棄するタイヤも減らせるほか、ガソリンスタンドで空気圧の点検などをする必要もない。そのため、ガソリンスタンドでタイヤ点検する機会が減ることが見込まれるEVや自動運転車の普及後にも対応できる。

 世界ではミシュランが先行して、建設機械や農業機械など向けに既に製品化し、2024年には米ゼネラル・モーターズ(GM)と共同開発した乗用車向け製品の市場投入を目指す。日本勢でもトーヨータイヤが量産化を検討している。

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