生かせ!知財ビジネス

クリプトモール オーユー、ブロックチェーン技術で模倣品対策 ブランド品の再販にも

 暗号資産(仮想通貨)の基盤技術として知られるブロックチェーンは、模倣品(偽物・海賊品)対策に使えるか。同技術を用いた「鑑定証明システム」の特許をこのほど日本で取得したベンチャー企業「クリプトモール オーユー」の動向が注目される。

 同社は電子立国を掲げるエストニアの首都タリン市で2018年に設立された。

 創業者は日本人の熊谷絵美氏で、同システムは世界各国で特許の出願・審査中だ。昨年、東京都港区に日本法人も設立し、模倣品対策の一助として特許技術を用いたサービスを各方面に提案している。

 同社の石井希プロジェクトマネージャーは、「例えばワクチンや半導体の偽物は人の生死に関わる。偽物で得た収益は反社会的勢力が武器や麻薬取引の資金源にしている」と模倣品対策の重要性を指摘したうえで、サービスの狙いを「まず製造者や著作者の事業・ブランドを守ること。次に偽物の生むリスクを防ぐこと」と説明する。

 同社の特許技術の特徴は、製造者から最終販売者または購入者までの商品の移動経路(流通や転売経路)を追跡できる点と、その移動情報を誰も改(かい)竄(ざん)できないことにある。

 具体的には、商品、パッケージ、ギャランティカード(高級品に付く保証書)などに特殊な情報媒体を付ける。その形状や付け方は対象商品でさまざまだが 媒体には、商品が正規品を示すデータが埋め込まれ、流通業者を経由した際の情報とともに同社のシステム上で改竄できないブロックチェーンデータとして記録される。そのデータを元に商品の真がんを判定する仕組みで、購入者は判定の結果を専用アプリを使いスマートフォンなどで確認できる。

 模倣品対策の現場はブロックチェーンの活用をどうみているのか。大手運動用品メーカーの知的財産部門の幹部は、正規流通を管理する精度の向上は高く評価しつつも、「模倣品を排除できたとまでは言えない。実務上は(模倣品会社へ)能動的行動を執って初めて模倣品対策となる。商品価格で求める投資対効果も違う」と指摘する。

 クリプトモール オーユーはメーカーだけでなく、ブランド品の再販や個人売買の仲介を行う二次流通業者への事業展開も進めていく考えだ。(中岡浩)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus