テクノロジー

核融合、技術開発加速で国際競争力確保へ 文科省方針

 原子核同士を融合させて巨大なエネルギーを取り出す核融合発電について、文部科学省は、核融合炉の製造に必要な特殊合金加工など日本の先進技術の開発を加速し、国際競争力を高める方針を固めた。従来は国際協力に軸足を置いてきたが、欧米も含めた技術開発競争が激しさを増してきたことに対応する。2日午後の有識者会議で取組方針としてまとめる。

 核融合は水素などの軽い原子核同士が融合して新しい原子核になる反応で、太陽の光や熱も核融合によって生み出されている。少ない燃料から膨大なエネルギーが生み出せるのが特徴で、石油などを燃やす火力発電と違い、地球温暖化をもたらす二酸化炭素が発生しない。脱炭素社会に向けた次世代のエネルギーとも目されている。

 技術の開発に膨大な事業費を要するため国際協力が不可欠とされ、日米や欧州連合(EU)などは1985年から、国際熱核融合実験炉「ITER(イーター)」の建設計画を進めてきた。しかし近年、各国が独自に技術開発を進める動きが活発化。米エネルギー省は今年2月、2040年代までに発電実験を行える実験炉の建設を目指す計画を発表した。米原子力規制委などが、実用化を見越した安全規制も検討している。

 こうした動向を受け、これまでイーター計画における必要性に応じて国内の研究機関や企業に技術開発を促してきた日本でも、独自の技術開発を加速するべきだと判断。文部科学省は、2日に開く核融合科学技術委員会で、新たな取組方針をまとめることにした。

 方針案では、日本が先行する特殊合金の加工などを「核融合発電基幹技術」に位置づけ、国による補助金の拡充などで開発を促進。技術的な優位性を確保するほか、開発を担う人材の育成にも乗り出す。年度内に、より具体的な方向性を示す予定だ。

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