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社外取締役の報酬、日本4.9%増 外資系コンサル調べ 米や英仏独は減

 外資系で報酬や人事のコンサルティング業務を担うウイリス・タワーズワトソン(WTW)が発表した2020年度の日米欧5カ国の社外取締役の報酬額比較によると、日本の主要企業の中央値は前年度比4.9%増の1500万円で、5カ国の中で唯一増加した。日本の経済界でも社外取に求められる役割が重くなってきており、招く側の企業も相応の報酬水準を用意する必要が高まっている。WTWは「既に国際的にも競争力ある水準となっている」との見方を示す。

 米国は1.7%減の3150万円だった。米国では一般的に社外取に対し、一定期間の売却が制限された「譲渡制限付き株式」などの株式報酬が導入されているという。米国は、株式報酬が1880万円と全体の60%を占め、現金報酬は1270万円だった。

 米国以外の4カ国では、社外取に対する株式報酬は一部で取り入れているが、まだ限定的という。4カ国の調査結果は現金報酬のみで、日本(1500万円)のほか、欧州はドイツが4.7%減の2170万円、英国が3.5%減の1610万円、フランスが3.8%減の940万円だった。

 全5カ国とも、主要企業の社外取の報酬額の中央値を算出した。日本については、時価総額で上位100社のうち、売上高に相当する部分が1兆円以上の70社の報酬額の中央値とした。

 日本の主要企業の状況について、WTWの森田純夫シニアディレクターは「指名委員会や報酬委員会での貢献や取締役会での発言が求められるなど、社外取の職責に伴う負荷が高まってきており、それに見合った報酬水準にしていこうという動きがみられる」と指摘。社外取のなり手に制約がある中、「(自社が望む)人材に来てもらえるよう、しっかりとした報酬水準を用意しておこうという企業側の意識も働いている」とみる。

 こうした状況を踏まえると、日本では社外取の報酬額には今後も増額圧力がかかりそうだ。一方で欧米では、高額報酬は社外取と経営陣の癒着につながりやすいなど社外取の独立性に悪影響を与えかねないとの議論があり、米国では訴訟の動きも表面化している。「日本市場では社外取の報酬額は急ピッチで上がってきた」(森田氏)という中、企業側は今後、慎重に落ち着きどころを探るとみられる。

 WTWは社外取の報酬額比較と同時に、20年度の日米欧5カ国の主要企業の最高経営責任者(CEO)の報酬額比較も同時に発表。売上高に相当する部分が1兆円以上の企業の報酬額の中央値で、日本は前年度比5.1%減の1億8000万円だった。5カ国の中では最も少なく、米欧との格差は開いたままだが、「(個別にみると)日本でも欧州水準に匹敵する報酬額の企業が出てきており、二極化してきている」(森田氏)という。

 米国は唯一増加し、8.0%増の15億3000万円。欧州はドイツが4.0%減の6億7000万円で、英国が7.0%減の5億6000万円、フランスが15.5%減の4億3000万円だった。米国だけが2桁に迫る増加となったのは、株式報酬など長期的なインセンティブの拡大が大きい。

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