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パラリンピック放送、民放も初めて生中継で熱戦伝え NHKは手話CG実況を導入

 好調な視聴率を記録した東京五輪に続いて、東京パラリンピックが24日開幕する。学校観戦を除いて原則無観客となる中、NHKは過去最長の500時間超の放送を予定、民放も初めて一部競技を生中継して、テレビ観戦を盛り上げる。視聴者になじみの薄い競技が多いこともあり、各局はパラ競技の魅力を伝える事前の関連番組も放送。障害のあるリポーターの起用や字幕の工夫など、あらゆる人が楽しめる番組づくりにも力を入れる。

増える「試合中継」

 長野大会(1998年)からパラリンピックの放送を続けてきたNHKは今回、関連番組を含めて総合・Eテレで約200時間、BS1で約180時間、BS4K・8Kでそれぞれ約80時間の計500時間超の放送を予定する。

 パラ競技や選手を知ってもらうため、関連番組も多く制作する。このうち20日にスペシャル版が放送される「アニ×パラ」は、パラ競技の魅力を伝えるアニメ番組。「キャプテン翼」の高橋陽一さん、「あしたのジョー」のちばてつやさんら著名漫画家や脚本家、ミュージシャンらが結集し、パラスポーツを紹介するショートアニメ作品を制作してきた。スペシャル版は、これらの作品を紹介するとともに、アーティストらが大会への期待を語る。

 大会の中継では、24日の開会式、9月5日の閉会式のほか、陸上や競泳、車いすバスケットボールなどを放送。日本選手が勝ち上がった競技も中継する。

 民放各社も車いすバスケや水泳など注目度の高い試合の中継やハイライト番組を予定する。日本民間放送連盟(民放連)によると、パラ競技が民放で本格的に生中継されるのは今回が初めてという。また、フジテレビは22日午後2時から、開幕直前のスペシャル番組も放送する。

ユニバーサル放送も充実

 NHKの関連番組や大会期間中のリポートでは、障害のある当事者の活躍も期待される。重度難聴の後藤佑季さん、脳性まひの千葉絵里菜さん、左上肢機能障害の三上大進さんだ。3人は「障害のある人にもパラ放送に携わってもらいたい」というNHKの方針で、平成29年からパラ競技の取材やリポートを行い、大会に備えてきた。

 NHKは、障害のある視聴者も一緒に楽しめる「ユニバーサル放送」にも力を入れる。東京五輪の開会式中継では手話通訳がなかったが、パラ開閉会式の中継では手話通訳が行われる予定だ。

 また、その日の注目競技や選手を紹介する生放送の情報番組「あさナビ」では、字幕と放送内容を合わせる「ぴったり字幕」を取り入れる。音声を聞いてから字幕を打ち込む生放送では、字幕はどうしても遅れて表示され、放送内容とずれてしまう。「ぴったり字幕」は、番組の放送そのものを30秒遅らせ、音声と字幕が同じタイミングで見られるというものだ。

 さらに、NHKのインターネット生配信では、CG(コンピューターグラフィックス)のキャラクターが手話で実況を伝える「手話CG実況」も、1日1試合程度行われる予定だ。

配信観戦、根付くか

 東京五輪では、インターネット配信による観戦スタイルも話題となった。国際オリンピック委員会(IOC)のテレビ・マーケティング担当部長のティモ・ルンメ氏は、五輪会期中の会見で、東京五輪のデジタル配信の視聴者が過去最多となる見通しを示し、「東京は最初のストリーミング五輪」と評した。

 NHKによると、同局の同時・見逃し配信「NHKプラス」の動画は、五輪開会式の週とその翌週の視聴者が、4~6月の平均に比べ3倍近い増加となり、利用登録の申請も増えたという。

 パラリンピックでもこの勢いは続くのか。「NHKプラス」では五輪時と同様に、通常は会員登録をしないと画面に出てくる受信契約の確認メッセージを外してパラ中継を配信。特設サイトでは、放送がなかった競技も含めてライブ配信を充実させる予定だ。(道丸摩耶)

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