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福島第1原発処理水、IAEAが安全評価 中韓批判封じ込めへ透明性確保 

 東京電力福島第1原発の処理水の海洋放出をめぐり、国際原子力機関(IAEA)による安全性評価が行われることが決まった。国はIAEAという第三者機関による客観的な確認作業を通じて、処理水処分についても透明性を確保し、国内外からの風評被害発生を押さえ込み、廃炉に向けた工程を着実に進めたい考えだ。

 菅義偉政権は今年4月、処理水を海洋放出で処分する基本方針を決めた。処理水は多核種除去設備(ALPS)でトリチウムを除く大半の放射性物質が浄化済みで、放出前に海水で100倍以上に希釈し、1リットル当たりに含まれるトリチウムの濃度を1500ベクレル未満にする予定だ。

 70歳になるまで毎日約2リットル飲み続けても健康に影響が出ないことを根拠に国が定めた環境への排出基準(6万ベクレル)の40分の1程度で、世界保健機関(WHO)が示す飲料水基準(1万ベクレル)の7分の1程度という高い安全性となる。

 それでも韓国や中国は方針決定直後に「一方的だ」と反発。両国とも稼働中の原発からトリチウムを放出しているが、処理水の海洋放出が環境を汚染し、周辺国に被害をもたらすかのごとき主張を今も続ける。

 こうした中、今回の合意でIAEAが処理水放出に関して安全性などを調べて評価し、国際社会に結果を公表する役割を担うことになったことについて経済産業省は「国内外からの理解や安心につながる」と期待する。

 原発事故後、計54カ国・地域が農産品や海産物などの輸入制限をかけた。現在も韓国や中国、台湾など6カ国・地域が輸入停止を、欧州連合(EU)や英国、インドネシアなど8カ国・地域が検査証明書の提出などの輸入規制を続けている。

 IAEAの安全性評価で日本の基準の妥当性が示されれば、生産者が不安視する買い控えや新たな輸入規制など、風評被害を未然に防ぐことにもなりそうだ。(日野稚子)

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