テクノロジー

パナ、蛍光灯の農地活用を強化で免疫アップ イチゴ農家用へ拡充

 パナソニックは、紫外線で農作物の免疫を高める特殊な蛍光灯の事業を強化する。既に実績のあるイチゴ農家向けの商品群を拡充するほか、花き栽培にも対象を広げようと各地で実証実験を進める。発光ダイオード(LED)への置き換えで蛍光灯の需要が先細る中、70年前から手掛ける「枯れた技術」を応用し、新たな商機を探る。

 宮城県山元町の農業生産法人「GRA」。高級イチゴ「ミガキイチゴ」を栽培するハウスは、夜になると全体が青白い光で満たされる。波長の短い紫外線を発する蛍光灯に1日2~3時間照らされると、遺伝子が活性化。大敵の「うどんこ病」を防いだり、ダニの増殖を抑えたりする効果があるという。

 GRAは8年前にこの設備を導入。蛍光灯を設置したハウスでは、うどんこ病予防に用いる農薬量が半減した。担当者は「労務費も削減でき、設置コストは数年で回収できる」と喜ぶ。

 パナソニックは10月に消費電力を2割抑えた新製品を発売し、拡販を図る。長野など計8県の農業試験場ではイチゴに加え、バラやキク、カーネーションを対象に実験を行い、効果を検証している。

 同社は昭和25(1950)年から蛍光灯を生産。LEDの普及で既に蛍光灯器具の生産を終え、現在は交換用の蛍光灯のみを販売する。令和3年の予想売上高は約200億円だが、10年後には激減すると見込む。

 農業向けのほか、蛍光灯のコイルに用いるタングステンの加工技術を生かし、半導体を製造する装置の部材開発なども急ぐ。これら新製品の売上高を12(2030)年には現在の5倍の250億円に伸ばす計画だ。

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