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小型モジュール炉、日本企業参画を支援 梶山経産相単独インタビュー

 梶山弘志経済産業相は8月27日までに産経新聞のインタビューに応じ、7月にまとまった次期エネルギー基本計画素案への思いや、今後のエネルギー政策について語った。稼働時に二酸化炭素(CO2)をほとんど出さない原子力について、小型モジュール炉(SMR)の開発への日本企業の参画を政府として支援していく考えなどを示した。(聞き手 那須慎一)

 --次期エネ基の素案がまとまった

 「2050年カーボンニュートラル実現との整合性をとるため、経産省の基本政策分科会だけでも17回の議論を重ね、電源構成も野心的な数値をまとめた。経済産業行政に長く携わってきた経験からも最大限の案を出した思いだ。再生可能エネルギーに関しては、できる限り導入していく前提だが、(30年時点で)確実に進められるのは太陽光になる。ただ、用地の問題など現実をみると難しい。早期に浮体式洋上風力を実用化するなど、あらゆる分野で最大限の準備をしていきたい」

 --今回も原発の新増設・リプレース(建て替え)の記載が見送られた

 「リプレースは今から許容しないと間に合わないという議論は承知している。ただ、東京電力福島第1原発事故を受け、技術やオペレーションを行う事業者の信頼が重要になるものの、国民の信頼回復がもう一歩及んでいないとの判断で見送った。今後、どれだけ再稼働が進むかが地元や国民理解の判断材料になり、リプレース(の許容)にもつながるとみている」

 --再稼働だけでは30年度の電源構成で原発の比率を20~22%とする目標の実現は厳しいとの声もあるが

 「SMRや、従来研究している高温ガス炉なども新たな知見としてしっかりと進め、人材を育成しなければならない。SMRに関しては、米国企業が実機に近いものをつくろうとし、日本企業も参画しようとしており、政府としても後押ししたい」

 「再エネの最大限の導入と、補完するための火力、水素・アンモニアなどだけでは絶対量が足りない。その中で、ベースロード電源としての原子力は重要な選択肢になる」

 --将来のエネルギー政策はどうあるべきか

 「日本は海外との系統連系も、単一エネルギーで完全なものもなく、どういうバランスで(電源を)使っていくかが経済安全保障にもつながってくる。ただ、日本の条件が悪いことを(対応が)できない理由にはしない。30年、50年の目標達成のためにも、技術開発を含め最大限努力する。また、電力自由化の中で発電も小売りも送電も分かれ、その中で低コストや合理的な形で電力の安定供給をどうしていくか。制度面や資源獲得を含め、しっかり考えていく必要がある」

 【キーワード】エネルギー基本計画 原発の運営や資源確保の方針などが盛り込まれた日本の中長期的なエネルギー政策の指針。電力会社をはじめ民間企業の投資計画に大きく影響する。政府は2003(平成15)年に初めてまとめ、おおむね3年ごとに見直し閣議決定する。今年策定するのは第6次計画。併せて見直す30年度の電源構成は日本がどの電源を推進するかを示し、計画の土台になる重要な目標。

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