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なにわの暴君「鷹の爪」が再注目 辛さ3倍、果実のような上品な香りも

 日本に古くから伝わる貴重なトウガラシの1品種で、大阪府堺市で約120年にわたって守り続けられてきた「堺鷹の爪」が今夏、府から「なにわの伝統野菜」に認証された。生産者が激減し、トウガラシの市場では外国産が席巻する中、コツコツと守り育ててきた純粋種を評価された。生産者は「昔ながらの味を絶やさず淡々とやってきたことが認められた。感謝の気持ちでいっぱいです」と喜びを語る。(上岡由美)

 辛さ3倍

 トウガラシにはさまざまな種類があり、国内で流通しているもののほとんどが中国産などの外国産が占めているという。その中で日本に古くから伝わる貴重な品種が堺鷹の爪だ。長さが約3センチと小ぶりで、房なりにならず1つずつ上を向いて着果するのが特徴。しかもスーパーなどでよく見かける「天鷹」などの品種より約3倍辛く、果実のような上品な香りをともなう。

 この鷹の爪の純粋種を明治35(1902)年の創業以来、代々受け継いでいるのが、和風香辛料の専門店「やまつ辻田」(堺市中区)。「昭和30年代までこの辺りは鷹の爪の産地で、収穫時期には一帯が赤い絨毯をひいたみたいやったそうです」と4代目の辻田浩之社長(59)は話す。

 「堺市史」続編第1巻によると明治35年頃、「このころより泉北郡の畑作地帯でさかんになってきたのは蕃椒(とうがらし)である」との記載があり、同年の収穫量は約7ヘクタールの面積で約11トン、翌年には約85ヘクタールの面積で約158トンに増加していた。今でいうと東京ドーム18個分に相当し、泉北郡一円で広く栽培されていたことがわかる。

 しかし、鷹の爪は摘み取りに手間がかかり、収穫のタイミングも不ぞろいのため、次第に農家が栽培をやめてしまったという。そこで、辻田社長は自家採種を続ける一方、奈良や和歌山、長野など各地の農家に苗を託して純粋種を守り育てている。

 名脇役

 この鷹の爪に注目したのが、「大阪難波葱普及委員会」代表の難波りんごさんら有志。昨年秋から辻田社長とともに普及活動を始め、今年3月に「鷹の爪純粋種保存会」を結成した。その後、大阪府のなにわの伝統野菜の制度に承認申請し、7月28日に認証された。大阪の食文化を支えてきた伝統野菜を見直すために作られた同制度。100年以上前から府内で栽培され、苗や種子の来歴が大阪独自の品種であることなどを基準にしている。

 鷹の爪は味を引き締め、決して素材のじゃまをしない、いわば名脇役。辻田社長は「鷹の爪ってこういうものだと知ってもらえるのが一番うれしい。これからも鷹の爪純粋種を守り伝えていきたい」と話している。

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