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原料値上げ、PB価格悩むスーパー 節約志向と資源高の板挟み

 国内の食品メーカーは、食用油や小麦粉といった食品価格の値上げを相次いで値上げを発表した。原料費の高騰のほか、物流費や資材費が上昇しているためだ。一方、消費者により近い小売り企業には、消費減速への警戒感から、プライベートブランド(PB)商品の価格を据え置くと宣言する動きもある。ただ、企業努力によるコスト吸収にも限界があり、各社は家計の節約志向と資源高の板挟みになっている。

 食用油の大手3社は8~9月、サラダ油などの出荷価格を引き上げるとそれぞれ発表した。値上げは今年4回目となる異例の対応。食用油の高騰は他社製品のマーガリンやマヨネーズにも波及しつつある。ほかに小麦粉、砂糖、レギュラーコーヒーの値上げも各メーカーから発表されている。

 こうした中、小売り大手のイオンは「価格凍結宣言」として、PB「トップバリュ」の食品約3千品目を年内は値上げしないと発表した。生鮮食品や米などは対象外だが、値上げで話題のマヨネーズ、小麦粉、コーヒーなども価格を据え置く。内容量を減らす「実質値上げ」もしない。物流や調達網の見直しなどで吸収する考えで、西峠泰男執行役は13日の説明会で「価格凍結でお客さまの生活をサポートする」と述べた。

 小売り各社はイオン同様、新型コロナウイルス禍を受けた消費者の節約志向を敏感に感じている。イオンの「宣言」に「やらないことをあえて発表するとは」との驚きもあるが、「総合スーパーの筆頭として、消費者のために闘うというメッセージを表明したのだろう」と理解を示す声もある。

 PBの価格をめぐっては、セブン&アイ・ホールディングスも当面の値上げ予定は「基本的にない」。西友もPBの値上げ予定はないが、供給網の効率化は注力しており、資源高には「PB以外を含めた商品全体で対応を考えていく」(担当者)とする。

 一方で「企業努力で吸収しきれない」として、PBの食用油をすでに値上げした小売りも。このほか会員企業向けPBを企画するオール日本スーパーマーケット協会も、会員への販売価格の値上げを「検討せざるを得ない状況」という。

 スーパーは近年、ドラッグストアやインターネット通販など他業態との競争も激しい。協会の担当者は「価格競争とコスト上昇という二重苦が小売りに起きている。これらに対処しながら一定の利益も出せる商材を検討することが喫緊の課題だ」と話した。(加藤園子)

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