5時から作家塾

「予防歯科」が必要な現代、ついに画期的なサービスが実現 (3/3ページ)

吉田由紀子
吉田由紀子

 口臭から口腔環境を可視化

 現在、画期的なプロジェクトが進行している。

 「毎日の歯磨きの際、口臭から口腔環境をスクリーニングして、それを手軽に可視化する電動歯ブラシを開発しています。この歯ブラシを使うことで歯周病や虫歯の予防、重症化の抑制が可能になります」(廣瀬さん)

 歯周病とは、歯肉炎と歯周炎に大別される。歯肉炎は歯茎が炎症を起こしている状態である。進行すれば歯と歯茎の境目にある「歯周ポケット」に菌が繁殖し、歯の土台となる歯槽骨が破壊されていく。その結果が歯周炎で、重症化することで歯を失ってしまう疾患である。さらに慢性的に歯周病に罹患していると、重大な全身の病気につながることもあり得る。

 「近年は、歯周病と全身疾患の関係についての研究が進んでおり、多数の研究報告があります。例えば糖尿病、リウマチ、低体重児出産、アルツハイマーなどは、歯周病と深い関係があると報告されています。以前から、歯周病は糖尿病の合併症の一つと言われてきましたが、歯周病になると糖尿病の症状が悪化するという逆の関係も明らかになってきました」(竹山医師)

 また、妊娠中の女性が歯周病に罹患している場合、低体重児出産の危険度が高くなることも指摘されている。歯周病菌が血中に入り、胎盤を通して胎児に感染する危険性が報告されている。

 「他にも、狭心症や心筋梗塞、脳梗塞、高齢者に多い誤嚥性肺炎にも歯周病が関与しています。国立循環器病研究センターの研究では、心臓から歯周病菌が見つかった症例もあります。このように歯周病は、全身に大きなダメージを与えてしまうのです」(竹山医師)

 平成23年歯科疾患実態調査報告によると、極めて軽度のものを含めると20歳以上の8割が歯周病に罹患しているか、予備軍であるという調査結果が出ている。歯周病は毎日の歯磨きだけでは完全には予防できない。いち早く見つけて、適切な治療を受けることが必要であることは間違いはないが、そもそも歯周病にならないように予防を目的としたメンテナンス通院(予防通院)が必須であると結論づけられている。

 歯周病をスクリーニングする電動歯ブラシは、来年夏の販売を目指して開発が進んでおり、既存の電動歯ブラシと同等価格で一般販売ができるよう試作を重ねている。

 「日本は国民皆保険制度があるおかげで医療費は諸外国より安価に抑えられています。その優遇的な環境の反面、予防の概念が根付いておらず、多くの歯科医療施設が存在するにも関わらず、歯や口腔に関しては決して健康とは言えない状態です。私たちが目指すのは、予防歯科が当たり前になる社会です。誰もが歯や口腔に関する正しい知識を持ち、正しいケアを習慣化していく社会を実現していきたいと考えています」(竹山医師)(吉田由紀子/5時から作家塾(R)

5時から作家塾(R)
5時から作家塾(R) 編集ディレクター&ライター集団
1999年1月、著者デビュー志願者を支援することを目的に、書籍プロデューサー、ライター、ISEZE_BOOKへの書評寄稿者などから成るグループとして発足。その後、現在の代表である吉田克己の独立・起業に伴い、2002年4月にNPO法人化。現在は、Webサイトのコーナー企画、コンテンツ提供、原稿執筆など、編集ディレクター&ライター集団として活動中。

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