節約家計簿

60代の就労、法改正が後押し

 70歳までの就業機会を広げるため、今月、「高年齢者雇用安定法」が改正されました。65歳までの雇用義務に加え、努力義務ではあるものの、「70歳までの定年の引き上げ」「70歳までの継続雇用制度の導入」「70歳まで継続的に業務委託契約を締結する制度の導入」などが改正内容に盛り込まれています。70歳まで就業機会を広げようとする背景には、60代後半まで働かなければ老後生活が成り立たないご家庭が増えている現実があります。

 また、年金制度でも注目すべき点があります。それは、今月2日以降に60歳を迎える男性から、特別支給の老齢厚生年金が受け取れなくなったこと。女性は5年遅れなので、昭和41年4月1日までに生まれた方は、生年月日などに応じて特別支給の年金が受け取れるものの、繰り上げ受給を選択しなければ、65歳まで年金がもらえない時代に突入したわけです。「何歳まで働けば、老後が成り立つのか」を、制度の改正を踏まえつつ、自分で選択する時代になったといえるでしょう。

 60歳以降の生活に関わる制度の改正にも注目する必要があります。たとえば、60歳から65歳になるまでもらえる給付金があります。これは高年齢雇用継続基本給付金といい、60歳到達時の賃金に比べて、60歳以降の賃金が75%未満に下がった方がもらえます。たとえば、60歳到達時の賃金に対して、60歳以降の賃金が61%以下に減った場合の給付率は15%です。賃金が61%以下に減った場合、60歳以降の賃金が20万円なら、3万円がひと月分の給付額です。

 60代前半は収入減になる方が多いため、その時期にもらえるありがたい給付金ですが、令和7(2025)年からは減額、その先には廃止が予定されています。高齢化の進展に合わせて働きやすくする一方で、制度が先細っていく現実もあるわけです。自分の60代はどのように働き、利用できる制度はあるのかについて、制度の改正も踏まえながら調べる重要性が増しています。

(ファイナンシャルプランナー 畠中雅子)

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