書評

『ほたるいしマジカルランド』寺地はるな・著

 ■老舗遊園地で働く人らの奮闘

 大阪北部にある老舗遊園地「ほたるいしマジカルランド」が舞台。アトラクション担当者や清掃員など、そこで働く人たちの奮闘と成長をつづったお仕事小説だ。

 メリーゴーラウンドが好きなのに担当になれない男性、定年直前の植栽管理担当者…。章ごとに語り手が変わる構成。どこか心に鬱屈としたものを抱えている人たちが、ささいなきっかけで一歩前に踏み出していく。

 「なんのためにもならないものが、ごくあたりまえに存在している」「それこそが豊かさだ」という遊園地の名物社長の言葉は、今の時代だからこそ余計に心に響く。(ポプラ社、1760円)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus