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動画配信、「日本独自」で勝負 スタジオ確保や地上波連動…競争が激化 (1/2ページ)

 大手のインターネット動画配信サービスが、日本オリジナル作品の制作を強化している。Netflix(ネットフリックス)は、作品ごとに借りるのが一般的だった撮影スタジオを企業として確保。日本テレビグループのHulu(フールー)は地上波放送と連動し、ヒット作を生み出している。競争が激化するなか、各社は独自のコンテンツを確保して視聴者拡大を図っている。(森本昌彦)

 ネットフリックスは今月から、国内最大規模の「東宝スタジオ」(東京都世田谷区)にあるスタジオ2棟を複数年にわたり、賃借した。同スタジオは過去に「七人の侍」や「ゴジラ」シリーズなど映画史に残る名作が作られた舞台として知られている。

 運営するTOHOスタジオによると、作品ごとに借りる場合には撮影スケジュールと空き状況が合致しなかったり、制作期間が変更しても対応できなかったりするケースもある。これに対し、事業者が長期的に借りることで、好きなときにスタジオを使用できる。このメリットは大きい。

 今回の賃借の狙いについて、ネットフリックスで広報を担当する東菜緒さんは「実写作品の本数だけでなく、大きなスケールで作るプロジェクトも増えている。今後作っていく環境を整備するという意味でも、インターナショナルスタンダードの制作拠点を確保しておくというのは今後の作品作りで重要になってくる」と説明する。

 平成27年から日本でサービスを始め、約50本の日本オリジナル作品を配信してきた。アダルトビデオ業界の風雲児と呼ばれた村西とおる監督を主人公に時代を活写した「全裸監督」(令和元年)は人気を集め、続編公開が決まっている。昨年12月から独占配信するオリジナルシリーズ「今際(いまわ)の国のアリス」は開始4週間で全世界の1800万世帯が視聴し、日本の実写作品として世界で最も見られた作品になった。

 「全裸監督」や「今際の国のアリス」などドラマが目立っているが、今後は別ジャンルの拡充も目指す。東さんは「今年以降はジャンルを豊富にし、例えば長編映画やリアリティー番組、バラエティー番組のような作品群にも挑戦していきたいと思っている」と話した。

 「重要性、年々増す」

 ほかのサービスも日本オリジナル作品の充実を図っている。フールーは「Huluオリジナル」というブランドを展開。独自制作の作品に加え、「ミス・シャーロック」(平成30年)や「THE HEAD」(令和2年)という海外と組んだ大型作品も並ぶ。

 フールーを運営するHJホールディングスの常務取締役CCO(チーフ・コンテンツ・オフィサー)、長澤一史さんは「われわれとしては、フールーオリジナルを、ユーザーが『見てみたい』、俳優が『出演したい』、クリエーターが『作ってみたい』と思ってもらえるようなブランドにしていきたいと思っている」と語る。

 地上波テレビとの連動に力を入れているのもサービスの特徴の一つだ。昨年のNHK紅白歌合戦にも出場した9人組女性グループ「NiziU(ニジュー)」を生み出したオーディション企画「Nizi Project」はその代表例で、日本テレビでは情報番組で特集したり、オーディション番組を放送。フールーではオーディションの完全版が配信された。最近では1月クールに放送されたドラマ「君と世界が終わる日に」の続編が独占配信されている。

 長澤さんは「オリジナル作品の重要性は年々増していくと思っている」と話し、オリジナル作品の充実を図っている。

 豪州などでリメーク

 Amazonプライム・ビデオは平成27年に日本でサービスを始めてから、今年3月時点で37作品を制作。お笑いコンビ「ダウンタウン」の松本人志企画のバラエティー番組「HITOSHI MATSUMOTO Presents ドキュメンタル」はシーズン9まで作られる人気作品となった。

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