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多様化鮮明、背景に投票会員の構成変化 米アカデミー賞

 米ハリウッドなどで4月25日(日本時間26日)、第93回アカデミー賞授賞式が行われた。白人ばかりが受賞することから“白過ぎるオスカー”と揶揄(やゆ)されることもあった同賞だが、今回は主要賞の受賞者にマイノリティー(人種的少数派)や女性が大きく躍進。主催する米映画芸術科学アカデミー(AMPAS)が進める多様化がより強調された結果となった。(文化部 水沼啓子)

 米アカデミー賞は投票権を持つAMPAS会員によって選ばれるが、これまで会員の多くが白人男性に偏っていたことが問題視され、数年前から女性や白人以外の人種の会員数を増やしてきた。こうした会員の多様化が、今回の受賞作や受賞者の選定にも影響したようだ。

 また、コロナ禍でハリウッド大作が軒並み公開延期となり、全米で劇場公開された新作がほとんどない中、いつもならハリウッド大作に埋もれてしまうようなアート系の作品なども注目された。

 作品賞に選ばれた米映画「ノマドランド」はこれまでベネチア国際映画祭金獅子賞、トロント国際映画祭の観客賞など主要賞を総なめにし、本命とされていた。同作が主要な映画祭の最高賞をほぼ独占した形だ。

 今回、アジア人女性初の監督賞受賞に輝いたクロエ・ジャオ監督(39)。これまで監督賞は白人男性の“牙城”とされ、女性監督の受賞は2010年、米映画「ハート・ロッカー」のキャスリン・ビグロー監督(69)以来、2人目となった。

 ジャオ監督は授賞式のスピーチで、人々は生まれながらにして心の中に善を持っているという意味の「人之初」「性本善」という中国の言葉を引用。「時には逆のことが真実に見えることもあるが、それでも私は世界中のどこにいる人にも善があると信じてきた。この賞は、自分の善、そしてお互いの善を守るための勇気と信念を持っている全ての人々にささげたい」と語った。

 助演女優賞には、米映画「ミナリ」(リー・アイザック・チョン監督)に出演した韓国人女優、ユン・ヨジョンさん(73)が選ばれ、韓国人の同賞受賞は史上初。

 また、助演男優賞には、黒人解放運動のリーダーを描いた米映画「ユダ・アンド・ザ・ブラック・メサイア」(シャカ・キング監督)に出演した黒人のダニエル・カルーヤさん(32)が受賞。助演賞には男女ともマイノリティーが選ばれた。

 主演女優賞には「ノマドランド」のフランシス・マクドーマンドさん(63)が選ばれた。マクドーマンドさんが同賞を受賞するのは1996年の米映画「ファーゴ」、2017年の英米合作映画「スリー・ビルボード」に続いて3度目。

 主演男優賞は英仏合作映画「ファーザー」(フロリアン・ゼレール監督)に認知症の高齢者役を熱演した英国出身のアンソニー・ホプキンスさん(83)が選ばれ、同賞での最高齢受賞者となった。ホプキンスさんの同賞受賞は1991年、米映画「羊たちの沈黙」のハンニバル・レクター役で受賞して以来、2度目。

 主演男優賞では、Netflixオリジナル映画「マ・レイニーのブラックボトム」(ジョージ・C・ウルフ監督)に出演した黒人のチャドウィック・ボーズマンさん(昨年8月死去)が本命視されていたが受賞を逃した。

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