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マイクロプラ、年157トン発生 16都道府県 ベンチャー推定    

 海や川に流出したプラスチックごみが細かく砕けた結果、2020年度に国内で157トンの微小なマイクロプラスチックが発生したとの推定結果を、環境ベンチャーのピリカ(東京)がまとめた。16都道府県の調査地点の約9割で微小プラが検出され、同社は「汚染の深刻さを物語っている」として対策強化を求めている。

 調査は20年4月~21年3月、北海道から鹿児島県までの16都道府県の川や港湾、湖で実施。自治体や大学の協力を得て、網目が細かいネットを用いた採取装置で水面付近を調べると、120地点のうち112地点で微小プラを確認した。

 同社は河川中の微小プラの濃度や河川流域の特性などを考慮に入れて計算し、年間157トンが流出したと推定した。

 採取した微小プラの成分や形状から元の製品を推定すると、質量比では建物の入り口で泥を落とす玄関用マットやゴルフ練習場などで使われる人工芝が、全体の23.4%で最も多かった。使用に伴って表面が削れ、河川に流れ込んだとみられる。次に多かったのは、水田で徐々に溶かすために表面をプラスチックで覆っているコーティング肥料で、15.0%だった。

 小嶌不二夫社長は「自治体や企業と協力し、流出源や経路のさらなる特定を進めて問題解決につながる技術開発を進めたい」と話している。

 また同社は今回の調査で、水面に加えて初めて水底も調査。9都府県の29地点のうち、28地点で微小プラを検出した。ポリ袋などの材料となるポリエチレンやポリプロピレンが大半を占めた。

 新たな汚染は世界的課題

 二瓶泰雄・東京理科大教授(河川工学)の話 2019年に大阪市で開かれた20カ国・地域首脳会議(G20サミット)は、プラスチックごみによる新たな海洋汚染を50年までにゼロにする方向で合意しており、世界的な課題だと認識されている。解決にはプラスチック使用量の大幅削減が求められるが、進捗(しんちょく)状況の検証には河川などでのモニタリングが不可欠だ。ごみを多く流出させている製品の特定が可能となれば、効率よく重点的な削減対策を立案できるようになる。

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