ヘルスケア

大阪自宅療養者、1万3千人超も宿泊施設使用率は50%止まり

 医療提供体制が逼迫(ひっぱく)している大阪府では、1万3千人以上の自宅療養者がいるにもかかわらず、軽症・無症状者が病院の代わりに滞在する宿泊療養施設の使用率が約40%にとどまる。国や府は容体急変に即応できる宿泊療養を推奨しているが、感染の急拡大に行政の対応が追い付いていない実情がある。

 「本来なら入院していたはずの人が宿泊療養に回されている。高齢者や症状が重い人も多い印象だ」。新型コロナウイルス患者を受け入れている大阪市内のホテルの担当者が話す。

 府によると、7日時点で民間ホテルの計3680室で1596人が療養中。使用率は43・4%だ。標準的な入所期間などを基に府は使用率の上限は約75%と試算しているが、それと比べても隔たりがある。

 厚生労働省の指針では軽症・無症状者は宿泊療養が基本だが、家庭の事情などで自宅療養も認められる。府もコロナに感染した軽症者や無症状の患者について、自宅で療養する特別な理由がない限り、宿泊施設で療養させるとしている。だが、施設の十分な活用は進んでいない。

 背景にあるのは、コロナ対応を最前線で担う保健所業務の逼迫だ。大阪市保健所では、5月1日までにコロナ対応の専従職員を約140人にまで拡充したが、それでも感染の急拡大に対応が追い付かず、「医療機関から感染者の発生届を受けても、患者本人に宿泊療養の意思を確認するのに1週間程度かかることもある」(担当者)。府は、感染者数の大幅な減少が見込めないとして5月下旬に新たに306室を開設するが、担当者は「対応にあたる人員に余裕があるわけではない」と話す。

 東京医療保健大の菅原えりさ教授(感染制御学)は、宿泊療養することによって家庭内感染などを防ぐことができるとして「可能な限り活用すべきだ」と指摘。迅速に施設に入れない現状には問題があるとし、「手続きやホテルの運用に無駄がないかを検討すべきではないか」と述べた。

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