ヘルスケア

コロナ自宅療養4倍 1カ月で急増、福祉施設は3.7倍に (2/2ページ)

 施設内で容体急変に対応するには限界もある。受け持った80代女性は当初、発熱はあるものの食事などを通常にとれる状態だった。しかし、発症3日目には酸素吸入などが必要な状態に。探し続けてきた入院先はついに見つからず、7日目に息を引き取った。

 「第3波の時は施設で患者が出れば、軽症でも病院に受け入れてもらえた。第4波では救急車を呼んでも行く場所がない。特にこの2週間は救急車を呼んでも仕方がないという状況にまでなっている」(渡辺氏)。患者の家族には急変しても病院に搬送できないこともあると伝えている。

 「保健所も要請があれば患者を病院に入れたいだろう。だが搬送先がない。それでも医師たちは日々の患者の病状をしっかりと把握し、保健所に伝えていくしかない」。渡辺氏はかみしめるように話す。

 感染者の自宅への訪問診療を続ける医師もいる。京都府で2月に発足した訪問診療の専門チームで、中核を担うのが「よしき往診クリニック」(京都市)の守上佳樹院長(41)だ。

 訪問診療の対象は、おおむね75歳以上。府の入院医療コントロールセンターから要請を受けて訪問し、治療に当たる。常時6~7人の患者を抱え、第4波に入ってからは「ほぼ毎日、新規の患者が入ってくる状態」(守上氏)だという。

 無症状・軽症から酸素吸入が必要な中等症までを診るが、1人暮らしや高齢者同士で暮らす「老老介護」世帯が多く、容体急変の恐怖が常につきまとう。

 当初は安定していても、数時間後に再訪問すると、血中酸素濃度が危険水域にまで低下しているといったことは珍しくない。訪問診療チームが症状悪化に気付き、入院につなげることができたケースは数多い。

 認知症の症状が強く出てしまうなど、コロナ病床への入院が困難な患者の治療も担ってきた。病院では混乱して検査を拒否したり、看護師にかみついたりして入院継続が難しかった人も、在宅の訪問診療に切り替えることで、落ち着きを取り戻すという。

 24時間体制で患者宅に駆けつけ、治療して容体を見極めて病院へつなぐ。「第3波のピーク時には入院できない患者があふれ、誰にも気付かれずに自宅で亡くなる人が相次いだ。そんな状況にしてはいけない、その思いでやっている」。守上氏は力を込めた。(三宅陽子)

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