ヘルスケア

大阪の医療、課題はどこに 「年齢問わず、重症化も死亡も」コロナ影響連鎖的 (2/2ページ)

 「全国初のコロナ専門病院」として中等症患者に対応してきた大阪市立十三(じゅうそう)市民病院(大阪市淀川区)でも症状悪化後に転院先が見つからない患者の治療を継続するケースが出ている。同病院ではおおむね約60人の患者を受け入れているが、10日現在で約15人が重症化し転院が望ましい状況といい、担当者は「患者に高濃度酸素を送る装置を使っているが、急変に備えて気が抜けない」。

 府病院協会の佐々木洋(よう)会長は「重症者の治療経験がなくても中等症病床で(重症者を)引き受けざるを得ない状況になっている。そのため自宅療養者を受け入れる余裕もない。悪循環が起きている」と指摘する。

 宿泊療養は調整難航

 軽症・無症状者が病院の代わりに滞在するのが宿泊療養施設だが、大阪府では保健所の業務量の増大とマンパワー不足のため、患者の入所意思の確認が追い付かず、自宅などから施設に速やかに移れないケースもある。府内では宿泊療養施設として民間ホテル14施設計3680室が稼働中だが、利用者は11日時点で1496人。使用率は40・7%にとどまる。

 第4波以降、患者に体調や行動履歴の聞き取り調査などを行う保健所の負担が特に増えた。4月下旬には、医療機関から感染者の発生届を受けても患者本人に宿泊療養の意思確認をするのに約1週間かかる状況となっていたという。大阪市保健所の担当者は「結果的にホテルに空きが出てしまった」と話す。

 現在はやや改善しているというが、「大型連休中で検査が少なかったこともあり、楽観できない。日々の感染者数を減らすことが重要だ」(担当者)。最近は体調が急変し施設から入院に至るケースが発生していることへの懸念もある。

 市保健所のコロナ対応の専従職員は約140人。市は感染の波を見越して順次、体制強化を図るとしている。

 自宅療養で死亡も

 第4波で、自宅で17人が亡くなっていたことを明らかにした大阪府。医療行為を受ける前に亡くなる自宅療養者が相次ぐ中、これまで実施しているオンライン診療を含めて療養体制を強化し、重症化を防ごうと11日、新型コロナウイルス特別措置法に基づき、自宅療養者への訪問診療など3項目の協力要請を府医師会に出した。

 府内の自宅療養者は「入院・療養等調整中」も含めると11日時点で1万8260人。第3波のピークだった1月16日の4325人の約4倍にあたる。

 大阪市消防局によると、4月19~25日には受け入れ先の病院が見つからず、搬送に最長46時間53分かかるケースがあった。また4月中旬は、救急車69台のほとんどをコロナ患者の搬送に使っていた。

 こうしたこともあり、府は4月22日、搬送先が決まるまで酸素投与しながら一時待機できる「入院患者待機ステーション」を開設。現在は大阪市内の2カ所で計18床を運用しており、今月11日午前0時までに計79人を収容した。いずれも数時間の滞在だったという。

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