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インドからの水際対策、入国者の見回り強化へ 与野党の不満根強く

 政府が新型コロナウイルスの変異株が流行するインドからの入国者らについて、自主隔離中の自宅やホテルなどへの見回りを強めるなど、水際対策を一段と強化することが16日、わかった。政府の水際対策をめぐっては、自主隔離中に自宅を離れたり、位置情報を報告しなかったりする人が全体で1日約100~300人に上るなど課題が浮き彫りになっており、与野党から批判が出ている。

 政府は14日、北海道などを緊急事態宣言の対象に追加したのに合わせて基本的対処方針を改定し、インド型変異株の全国的な監視体制の強化を盛り込んだ。インド型は感染力が強いとされ、英国型のように国内で流行すれば感染爆発につながりかねないからだ。

 海外からの流入を食い止めるため、水際対策も矢継ぎ早に行っている。1日からインドを変異株流行国に指定し、入国者らに指定宿泊施設での3日間の待機を要請。10日には隣国のパキスタンとネパールを含む3カ国の入国者は宿泊施設での待機を6日間に延ばし、検査回数を増やす措置に踏み切った。14日からは在留資格を持つ外国人などの入国を原則として拒否する。

 茂木敏充外相は14日の衆院外務委員会で、「欧州連合(EU)を見ても日本のような厳しい措置は取っていない」と強調した。ただ、3カ国からの入国者は4月だけで約4千人に上り、野党は対応の遅れを批判している。

 現在、海外からの入国者は日本人を含め、自宅やホテルでの14日間の自主隔離や健康状態の報告が求められている。厚生労働省によると、1日あたり約2万人の対象者のうち4月は約200~300人、5月に約100人が健康状態の報告を行わず、自宅などを離れていた。自民党の佐藤正久外交部会長は「水道管が破裂して水浸しだ」と危機感を募らせる。

 すでに政府は民間企業に委託し、連絡が取れない人などに対しては自宅への見回りを行っている。今後は変異株の流行防止も念頭に、インドなど3カ国からの入国者について、重点的に見回りやビデオ通話による位置情報や健康状態の確認を行う方針だ。

 政府は入国時に記入してもらう誓約書で自主隔離などに違反した場合、氏名の公表や在留資格の取り消しなどを行うとしているが、適用には慎重だ。ただ、今後は踏み込んだ対応が求められる可能性もある。

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