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栄養、体調管理…JSCが情報システムで選手支援 

 日本スポーツ振興センター(JSC)は前回リオデジャネイロ五輪以降、強化関連の情報を管理・共有できるシステムを充実させ、東京五輪を目指す選手たちをサポートしてきた。今、トップスポーツの現場では選手の感覚と情報技術、データなどが融合して競技力向上が図られている。(宝田将志)

 選手が白米の茶碗(ちゃわん)やおかずの皿を選んでトレーに乗せ、カメラで撮影すると、すぐに「タンパク質 76・5グラム」「脂質 42・5グラム」など3つの栄養素とエネルギー量が、専用端末の画面に表示される。

 これは「メロン・ツー(mellonII)」と呼ばれるシステムだ。東京都北区の味の素ナショナルトレーニングセンターと国立スポーツ科学センターの各食堂に導入され、強化指定選手らが利用する。

 事前に入力した当日のメニューとカメラ画像から、トレーに乗っている食事を人工知能(AI)が識別し、栄養評価をする。選手の個人認証カードに登録してある身長、体重などから、取るべき目安量も同時に計算してくれる。

 減量が必要な選手、リハビリ中の選手、ジュニア期の選手などに過不足なく栄養を取ってもらうことが目的。蓄積した過去データを栄養士と共有すれば、より適切なアドバイスも受けやすくなるという。

 また、コンディション情報を管理する「アスリートポート」というシステムもある。選手が体重、起床時の体温、睡眠時間など客観データと、疲労感や食欲といった主観データをパソコンなどで継続的に入力。変化を読み取り、練習計画などに反映させる。

 誰と情報共有するかは各選手が設定でき、コーチがチームメンバーの状態をまとめて確認するといった使い方も可能だ。新型コロナウイルス禍でトレーニング環境が一変した昨年6月以降、利用が増え、登録者は現在約700人に上る。

 両システムに共通するキーワードは「簡易性」。栄養評価のシステムは当初、選んだおかずなどを選手がタッチパネルで入力する必要があったが、2018年に画像認識のメロン・ツーに進化。同年開発のアスリートポートは今年6月、通信アプリのLINE(ライン)からも入力できるようになった。

 国立スポーツ科学センターの清水潤研究員は「入力が面倒だと、やはり続かない。まずは入力を習慣付けてもらい、そのうえで、どう成長につなげられるかが重要だ」と話している。

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