教育・子育て

揺れるパラ学校観戦 感染リスクで辞退、教育的価値訴える声も

 24日に開幕する東京パラリンピックで、競技会場がある東京、埼玉、千葉、静岡の4都県での実施が決まった小中高生らを対象にした「学校連携観戦プログラム」が揺れている。新型コロナウイルスの感染拡大に歯止めがかからない中、専門家が慎重な姿勢を示し、静岡県は全ての学校が辞退した。教育上の価値を訴える声も根強く、感染対策の徹底と観戦の意義への理解が求められる。

 「パラリンピアンの姿を目の当たりにして、その後の人生の糧ともなる貴重な経験としてもらいたい」。東京都の小池百合子知事は19日の都議会で、同プログラムの教育的意義を強調した。大会組織委員会や日本選手団からも、子供たちが会場で直接観戦する「魅力」や「感動」についての発言が相次いでいる。

 一方、18日に開かれた都教育委員会の臨時会では、委員5人のうち出席した4人全員が反対意見を表明。政府の新型コロナ対策分科会の尾身茂会長は19日の参院内閣委員会閉会中審査で「(五輪開催時と比べ)感染状況はかなり悪い」として、同プログラムの実施に慎重な姿勢を示した。

 4都県の中でも対応が分かれている。東京は8自治体の約13万人と都立学校23校の約2千人が、千葉は216校3万4276人が参加の意向。埼玉は2校が参加予定だったが、20日時点で1校に減った。静岡は17日に政府が緊急事態宣言の対象地域とすることを決めたのを受け、全ての学校がキャンセルしたという。

 子供たちの感染リスクやさらなる感染拡大への懸念はつきまとうが、五輪で同プログラムを実施した宮城、茨城、静岡の3県では、参加者から体調不良や感染の報告はなかった。

 児童約240人が男子サッカーを観戦した茨城県鹿嶋市立波野小の浅野典子校長(58)は「声を出さず、手作りの旗を振ったり拍手をしたりして、懸命に応援していた。国を代表する選手のプレーを間近で見て、貴重な経験になったと思う」と振り返った。

 東北大大学院の小坂健教授(公衆衛生学)は「パラリンピックには、さまざまな障害がある選手が集まるため、細やかな感染対策が必要」と指摘。その上で「声を出さずに観戦するのであれば、感染リスクは高くない。子供たちが(パラの理念である)多様性や共生を考えることは大切で、コロナで苦しんでいる人々への理解を深める機会にもしてほしい」と話した。(本江希望)

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