教育・子育て

期待されるスクールカウンセラー、悩み解決の糸口探る心理のプロ (1/2ページ)

 【チーム学校】子供たちが安心して学校生活を送れるよう話を聞き、心理的にサポートするのが、スクールカウンセラー(SC)だ。悩みや不安を持つ児童生徒からの相談に応じる他、保護者との面談も行う。教員と連携して子供の抱える問題のアセスメント(原因の見立て)を行い、解決策を検討する。対応する事案は不登校、発達障害、貧困、虐待など多岐にわたり、早期にこうした兆候を発見することも期待されている。

 大阪府内の公立小学校で6月中旬、SCの橋本大輔さん(37)=仮名=が手帳を手に、2年生の教室の後方から、子供たちの様子を見守っていた。

 一番後ろに座った女子児童は、授業中なのに教科書を閉じたままだ。橋本さんは教科書を開くよう促しながら、壁に張り出された子供たちの図工作品に目をやる。多彩な色遣いの作品が多い中、この女子児童の絵はほぼ青一色。「『これは何色』という自分のルールを変えにくいタイプなのかも」。こだわりが強いと、学業や友人関係でつまずく恐れもある。

 橋本さんがこの学校で勤務するのは月に2回、午前10時から午後4時45分。保護者との面談予約がある時間以外は校内を巡回している。授業中に落ち着いて座れない、板書ができないなどの態度や言動から、発達障害や心身の不安定な状況が垣間見えるためだ。

 こうした情報は、子供の悩みを解決する糸口になりうる。「早く困りごとの原因を見つけて必要なフォローをすれば、子供は生きやすくなります」

 教員との連携を密に

 児童生徒の指導を担うのは教員であり、SCの役割はあくまでサポートだ。文部科学省の有識者会議によるSCの職務のガイドライン(平成29年)では、必要に応じて面談などで得た情報を教員と共有したうえで、対応策を助言するよう定めている。

 橋本さんはこの日、3人の保護者と面談し、児童の家庭での様子をそれぞれの担任に話した。登校を渋りがちな5年の男子児童について、「友達の言葉に打たれ弱いのが気になる。対人関係に注意してほしい」と橋本さん。「頑張っていることを褒めるようにしている」という担任にうなずき、「自信の基盤がしっかりすれば、(友達に何か言われても)乗り越えられる」とアドバイスした。

 橋本さんが目指すのは、教員に「ちょっと相談してみよう」と思ってもらえる関係だ。実際に橋本さんが廊下を歩いていると、教員が次々と話しかけてくる。「あの子、最近は落ち着いて過ごせています」「さっき給食中に泣き出して…」

 SCは、子供の変化に最も気づきやすい教員と情報交換することで、子供の現状を正確に把握し、適切な対応を検討できる。だが、うまく連携できるとはかぎらない。教員とSCが互いに抱え込んで相談や情報共有をしないケースもあれば、逆に教員がSCに問題を任せきりにし、当事者意識が薄れる場合もある。近畿圏の複数校で勤務する男性SCは「面談中の子供への対応を丸投げされることもある」と打ち明けた。

 橋本さんは普段から積極的に教員に話しかけ、職員室で一緒に給食を食べるなど「仲良くなるために一生懸命」と笑う。もちろん、相談を持ち掛けられた際の対応力があってこその、教員からの信頼だ。

 悩む保護者にヒントを

 SCの数は全国的に増えている。そこで課題として浮かんできたのが、SCの問題解決能力の個人差だ。

 SCは一般的なカウンセラーと異なり、保護者への助言が求められる。だがSCの大半を占める臨床心理士の中には、話を聞いて受け止めるといった一般的なカウンセラーとしての対応しかしていない人も多いという。

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